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プロローグ

 初投稿です。色々と至らない点があるとは思いますがよろしくお願いします。

「暑い!!」

 北海道とはいえ真夏の登山なんてやるもんじゃないな。

 鬱蒼と茂る木々の中を歩きながら俺は、今日は天気がいいから山頂で昼飯を食べよう、なんてあほな事を考えた今朝の自分を恨んだ。

 まあ、もう少しで開けた風通しのいいところに出るはずだから、そこで休憩すればいいな。


 登山道を20分くらい歩き続けると木が少なくなり、ごつごつとした岩場にたどり着いた。両脇が崖で、さえぎるものがなく、見晴らしのいい場所だ。道幅が1メートルほどで若干危ないけど。少し手前に迂回路もあるのだが、眼下にに広がる絶景を見ると、こっちに来てよかったなと、つくづく思う。何より体を吹き抜ける風が気持ちよかった。


 突然突風が吹いた。


 「うわっ」


バランスが崩れ、岩場のぎりぎりでなんとか持ちこたえた。と思ったが、背中になんともいえない圧力がかかる。

 うわ、なんじゃこりゃ。とか思ううちに、とうとう足を崖に踏み込んでしまった。


 「あ~~~~~~~っ!!」


 叫んでみたけど、どうしようもない。100メートルくらい下にあった、岩がどんどん近づいてくる。後30メートル、20メートル、10・・・


 もうだめだ俺死んだな。そう思って目をつぶった瞬間、走馬灯が見えた。ほんとに人生を振り返れるんだな。まあ、22年間たいした人生じゃなかったけど。


 ごく普通の家に生まれて、小学校から野球初めて、最初のホームランは小4だったな。ランニングホームランだったけど。高校は文武両道をうたう中の上くらいのところ。部活は強くもなく弱くもなく。最後の夏は3回戦で負けたな。今思い出すと皆が泣いてる顔うける。

 高校卒業したら、地元の消防入って、彼女できて。いつか結婚とかすんのかな。とか思ってたらこれか。しかし、振り返ると結構充実してるよな。くそっまだまだやりたいことあったのに。

 

 そんなこんなで人生のダイジェストを脳内で見てると不思議な映像が流れてきた。

 暗い洞穴みたいなところで目がさめると、周りにりんごみたいな果物や、馬鹿でかい芋虫が置いてあって、それをむしゃむしゃ食べてる。次の場面ではいきなり誰かに腕をつかまれ、外に連れ出された。大きな森だ、しばらくすると放り投げられた。また場面が変わって、なんだか猪とサイをあわせたような奴に追いかけられてる。もうだめだと思ったときに、地面がなくなっていた。


 走馬灯長いな、まだ地面つかないのか?怖いけど目開けてみるかな?いや、でもずっと体から魂抜けてく感じしっぱなしだよ。こんなのフリーフォールでも味わえないぜ。とか考えながらうっすら目を開けると、景色が変わっていた。森は森なんだけど、なんか微妙に違う。距離もまだ10メートルくらいのまんまだし。その瞬間、背中に焼けるような痛みが走り、上を振り返ると、茶色い物体が覆いかぶさっていた。

 

 何だこいつは!!とりあえず振り返った反動で体を入れ替えた。落下している恐怖でしがみつくと、物すごい勢いでひっかかれた。腕はもちろん、腹から足にかけても。

 痛ってー。でも怖くて手が開かない。


 ドン

 

 ものすごい衝撃と同時に、2メートルくらい体が跳ね上がった。空中で体勢を立て直し、膝のクッションを使って着地すると、びっくりするくらい衝撃がなかった。

 なんじゃこりゃ?俺の体じゃにないみたい。なんか内側から力がみなぎってくるし。

 とりあえず落ち着こう、ここはどこだ?目の前には赤と茶色が混ざった物体。その先には、高さ10メートルくらいの崖。足元はちょっとした平地。その周りには広葉樹林。

 

 とりあえずほっぺたつねるか。

「痛い。」夢ではないな。つーか足とか腕とか体中痛いな。

「てっ、超血出てんじゃん。てかなんだこれは。」

 目に映ったのは、自分の体とは全然違うものだった。

 たしかに、今日は変な事ばっか起きるけどこれはないでしょ。



 あらためて、自分の体を観察してみる。まず足、指が少し長くなってた。色は薄い緑色で、無数の傷から血が流れてる。血は赤色だ。次は腰、ぼろぼろの茶色い布が巻いてある。ふんどしみたいな感じだ。めっくてみると、ちゃんとついてる、毛はなかったけど。男のままでよかったよ。色は全部薄い緑だ。上半身、贅肉はないけど、腹筋が割れてるわけではない、なんか貧弱だ。手はあんま変わらない。爪が鋭くなってるくらいかな。勿論色は薄緑だ。そして顔、触ってみた感じだとパーツは、そんなに変わらないか。輪郭が少し丸くなってるかな?あと髪がなくなって、おでこに横に並んだぽっちが2つできた。いぼみたいだ。

 身長はかなり小さくなった気がする。推定で80センチくらい。



 ジャンプしてみると体が軽い。1メートルくらい飛べた。目もかなりよくなっている。集中すれば、10メートル上の岩肌まで、詳細に観察できた。体もなんだか火照っており、体温も高そうな気がする。背は小さくなってるけど身体能力は上がってるみたいだ。なによりさっきからずっと、体全体に力がみなぎっている。



 これは完璧にあれだね。夢だな。いや、体中痛いし夢ではないか。あれか、頭打っておかしくなったか?もう一回崖から飛び降りれば、元に戻れるかな。頭どっかにぶつけるだけでも大丈夫かな。


 いやいやいや、もう一回落ち着こう。せっかく生きてるんだから、危ないことはやめよう。


 ん~~~~~~~~~~~~~。


 一回死んで生まれ変わったか?しかも緑の小さい奴。

 信じたくねーな。寝て起きたら戻ってたりすんのかな。

 そういえば、一緒に落ちてきたのはなんだ? 

 近寄って見てみる。

 動物だ。まぁなんとなく、そうだと思ってたけど。頭の部分に丁度岩があって、ぐちゃぐちゃに飛び散ってる。その他の部分も、骨が突き出たり、皮膚が裂け出欠している部分が多々あった。ひどいもんだ。ただ、こいつのおかげで助かったかのだから感謝しなきゃな。


「ふ~~~ん、猪みたいな感じだけど。」


 その獣は体長1メートルほどで、標準的な猪って感じだった。ただ、牙がなく、その代わりに、鼻の上から一本の角が生えていた。

 こいつ見たことあるな。フリーフォール中に出てきた奴だ。ということは、俺はこの緑の奴の走馬灯も見ていたのか?もしかして、体が入れ替わったとかかな?。

 

 入れ替わった!?俺の体はどうなってんだ?


 冷静に考えたら、俺のほうは確実に死んでるよな。100メートルくらい落ちたしな。こっれってラッキーなんじゃないか。もう死んだと思ったのに、セカンドライフゲットじゃん。なんか変なのに生まれ変わったけど、ジャンプ力高いし意外と良いかもしれない。


 よし、こうなったら第二の人生頑張るぜ!!


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