生徒会の日常その4
「えーっと、今日は応援に来てくれてありがとうございました!来年は全国に行けるように健人と練習を積んでいきたいと思います!そもそも公立高校として「…チッ。乾杯!!」
「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」
ちょ、健人最後まで言ってない!」
「…長くなりそうだったからな。」
「あ、注文いいですか?俺博多風とんこつラーメンで!」
「アホか凌哉それ〆や」
いいじゃん美味いんだから。
上本と健人の試合が終わり、雪ヶ崎市に戻ったのは6時を過ぎていて外は暗くなっていた。せっかくだから打ち上げでもしよう、ってことであの野球大会で訪れた藤宮さんの居酒屋へ。あの時より人数が増えテーブル席2つに。俺の隣に可奈さん向かいに上本と藤宮さん。隣のテーブルに黒田と音坂さんが隣合って座り、残りが向かいの席に座っている。
あと莉緒香は寮の門限とかで帰った。
「試合後の豚キムチぶっかけうどんは格別やわぁ」
試合後はあんなに涙を流していたのに好物の前では笑顔を見せた上本。青春かな。
「…苦い」
いつものブラックコーヒーだが今日は味が違うらしい。
「健人さがれ!」
「クソッ…!」
最後にダブル前衛を試みたが、ロブを打たれて撃沈。一時間を超える激闘は上本と健人の負けという形で幕を閉じた。
居酒屋に雀卓があったため俺と健人と上本と可奈さんで遊んでたらとんでもないことが起きた。
「やった!カン!四槓子!」
はぁ?!??!
「嘘やろ!?」
「…珍しいものが見れた」
牌を見てもまさしく四槓子。
自分の彼女を疑いたくないが…
「イカサマ?」
「証拠はないよね?」
四槓子なんてイカサマしても出ない、か。まぁ慎司がニヤニヤしてる時点でイカサマは確定だろう。とんでもない彼女を持ってしまった。
うーん。いらねぇか。
「ほい」
「ロン!」
「どんまいやで凌哉」
「…ドンマイだ凌哉」
「お嫁に行けない…」
所謂それは脱衣麻雀。可奈さんの前に俺はパンツ一丁になってしまった。
「いやほんまにどんまい。俺2回見逃されてるで」
「俺もだ」
なんという贔屓。
「凌哉くん」
「なに?」
「最高に可愛いよ♪」
満面の笑みで彼女はそう言った。
女子校生って何考えてるか分からん。
「今日は楽しかったね」
帰り道。いつものように自転車に乗り彼女を家まで送っていく。付き合ってからもバイトやら可奈さんの部活やらで、生徒会のある日しかこうやって一緒に居られない。
「卒業の印象なんてほとんど残ってないくらいにな」
お嫁に行けなくなるだろぉ。
「凌哉くん麻雀やらない方がいいよ」
「可奈さんがイカサマするから…」
「イカサマしなくても凌哉くんは大敗だよ」
「そんなことはない。次だ次!もっと他に弱いやつ連れてきて次こそ可奈さんに勝つ」
「無駄だよ。凌哉くんが私に勝とうだなんて100年早いよ。また麻雀したくなったらもっと着込んでくること。じゃないと次は…わかってるよね?」
怖いな。だが可愛いから良し
「今日はここでいいよ。」
可奈さんの家のすぐ近くまで来た。
「ん、了解」
「また、終業式で」
まだ学校あったのか。
「おう」
手を振り可奈さんも手を振ってくれたのを見て、俺も帰路に就く。一年で一番寒い日はもう超えた。この風が暖かくなる日が楽しみだ。




