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チキンなオレ流高校生活!  作者: 仁瀬彩波
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誕生日のチキン達

 短い冬休みは本当にあっという間に終わり、この雪ヶ崎高校も三学期を迎えた。始業式の日に久しぶりに会った生徒会メンバーを見て全く変わってないのが当たり前だと思っていたのだが、ある変化に対し、俺はとてつもなく驚かされた。絶世の美女-小暮可奈がメガネをかけていなかったのだ。本人曰く、そういう気分らしい。もし俺がメガネ大好きマンなら発狂していただろう。他人からの視線を気にしている訳でもなく、ただ気分でコンタクトに。流石は天然…と言ったところだろうか。俺は大のショートヘア好きだが、可奈さんの綺麗な黒髪ロングに危うく価値観を変えられそうになった。まぁ未だにアニメの推しキャラは大体ショートヘア何だけどな。


那月(なつき)の誕生日を祝して、乾杯!」

 藤堂先輩が音頭をとる。

「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」

 今日、1月25日は我らが生徒会会計上本那月の誕生日だ。放課後の生徒会室を利用してちょっとしたパーティーが行われた。

「おめでとう那月。これプレゼント」

「ありがとう優妃。」

 岸城高校はテスト期間で午後は暇だったらしい。藤宮さんも参加している。

「…プレゼントをくれてやる」

「はいはい上から目線ね。サンキュー健人…って何これ」

「生わさび」

「誕生日プレゼントにわさびってどうやねん」

「…わさびを馬鹿にするな」

「あぁー怖い怖い」

「棒読みをやめろ」

 いつものような掛け合い。

「俺からはこれな」

「凌哉のは期待していいんやでな?」

 何故そこまで慎重になる…。

「お前もかよ…」

 俺が渡したのはスーパーでよく売られているチューブのからし。わざわざサービスカウンターで、プレゼント用の包装を頼んだ。ちょっとした勇者だ俺は。

「私からはこれだ」

「俺…月詠先輩のことを信じてます」

 藤堂先輩が渡した少し大きめの包装に対して、どんどん弱気になる上本。見てて面白い。

「何ですかこれ…」

「慎司君。説明を頼む」

「了解でーす。Blair's 6 A.M. Reserve…ブレアの午前6時って名前のソース。ちなみにめちゃくちゃ辛い」

「いや辛いってことはこの見た目で分かるんやけど、これがどれだけ辛いねん、って話やん」

「辛さを測る単位にスコヴィル値ってのがある。これはトウガラシ属の植物の果実にはカプサイシンが含まれ、このカプサイシンが辛味受容体の神経末端を刺激する。スコヴィルはカプサイシンがどれだけ含まれてるのか、ってこと。んでこのブレアの午前6時は1600万スコヴィルくらい」

「あぁなるほど。何となく分かったけど比較対象が欲しいかな。タバスコは何スコヴィルなん?」

「2000スコヴィル。つまりタバスコの8000倍の辛さってこと」

「分かりました!鑑賞用に置いときますね!月詠先輩!」


 その6日後に俺の生誕祭も行われた。ちなみに藤堂先輩から俺に渡された誕生日プレゼントはハバネロだった。どうやら藤堂先輩の好意は辛さに比例するようだ。

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