合宿に行くチキンその12-Blue
俺-今川慎司はある人物を待っていた。
「覇道の騎士ただいま帰還。」
「遅かったな黒田」
そう俺が待っていた人物こそ彼-黒田永秀だ。
「ん?慎司よ今の状況の説明をしてくれ」
音坂、大松、健人に囲まれたこの状況。説明を求めるのは当然だろう。
「自由行動のメンバー決め」
「なるほど。理解した。で、我らはどこに?」
「腹ごしらえからだな。会長達はイタリアンに行ってると聞いたし、ここは和食にしようぜ」
「いいね和食。私好きなんだー」
「わ、我も…好き…だぞ」
黒田はすぐ音坂に便乗する。気付いていない音坂本人もだが、そこまで周囲にバレていないと思い込んでる黒田もおかしい。
「ふぅ…じゃ、行くか」
全員が頷き歩き出した。
旅館から結構歩きいい感じの店を発見。
「湯布食堂か…」
木製のザ・和食って感じだ。
「ここにしよーよ」
「わ、我もそう思う…」
はいはい便乗スタイルね。店内に入り、5人で来たという旨を伝え、席に座る。お座敷席の個室だ。
「私は豚肉の生姜焼き定食にしよっかな」
「わ、我も同じものを…」
はいはい便乗便乗。
「…俺はざるそばにする」
「わ、私も同じのにしようかな…」
大松まで便乗するのか。もうわけがわからん。
若干混乱しつつも、俺は大好きな寿司を食べれたので満足だ。
「さて、この後どうする?」
温かい緑茶で手を暖めながら今後の行動について話し合う。時刻は午後二時。五時に旅館集合になっていたりする。
「…金鱗湖なんてどうだ」
「没だ。会長達が向かっている」
珍しく健人が提案してきたが行き先が被るとわざわざ班行動にする意味もなくなる。できるだけ違う場所に行きたいんだけどな。
「じゃあ美術館なんてどうかな?」
「我も同じ意見だ」
「さっすが黒田くん。分かってるねー」
「か、勘違いするな。我は世界を広める為に…」
男のツンデレか。ちょっとキツいな。
「じゃあ美術館に行くか」
会計を済ませ、店を出る。そして次の目的地に向けて足を動かした。




