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チキンなオレ流高校生活!  作者: 仁瀬彩波
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合宿に行くチキンその8

 俺のスマホは防水機能付き。カバンの中に入れておいたスマホを取り出し、露天風呂にいる健人に渡した。黒田のラジコンに紐をくくりつけ、上本のスマホに結ぶ。上本のスマホにビデオ通話を行う。

「もしもし凌哉?」

「コントかよ。しっかり繋がってるな」

 そう言い俺はスマホを健人に渡した。

「…準備はできた。後は飛ばすだけだ…黒田頼んだ」

「ふっ…任された。行けっ!我が眷属よ!」

 そう言った黒田は上本の携帯が括り付けられたラジコンを飛ばす。

「おぉ!飛んだ!」

「…成功だ」

 健人がニヤリと笑う。俺のスマホから旅館の外の映像が見える。もうすぐ女子のいる露天風呂が見えるはずだ。

「キタキタキタキタ!!!見えた!」

 上本だけでなく俺と健人と黒田もガッツポーズ。

「でもなんか湯気凄くてよく見えへんな」

 確かに風呂の湯気のせいでうっすらとしか見えない。名将健人はどう出る。

「黒田もっと女子に近づけろ。何も見えないと飛ばした意味がない」

「御意」

 黒田の操作するラジコンが女子へと近づく。

「!?いや待てこれは罠だ!」

 健人が叫び、みんなが俺のスマホを凝視する。これは…

「水着を着ている…だと?」

 まさか俺たちが何らかの方法で覗きに行くことがバレていたのか。画面に写った音坂さんらしき人影は水着を着ていた。

「黒田今すぐに退避だ!」

「御意」

 黒田の操作するラジコンが猛スピードで引き返す。

『逃げられると思うなよ』

「なにぃ!?」

 俺のスマホから上本の携帯を通して声が聞こえてくる。

『ジ・エンド』

 その瞬間上本のスマホとの通話が途切れた。

「我が眷属との通信が遮断された!」

「まさか…あの人は…」

「おい健人どういうことやねん!俺のスマホはどうなったねん!」

「藤堂会長は上本のスマホと黒田のラジコンを破壊したんだ…」

「破壊ってそんなん月詠先輩とラジコンまで結構距離あったやん」

「…凌哉のスマホ最後黒い輪が写っていた。あれは恐らくヘアゴム。藤堂会長はヘアゴムを輪ゴム鉄砲の要領で飛ばした、ということだ」

 なっ…。藤堂先輩チート過ぎるだろ。

「こうなっては仕方ない…。我が眷属の弔い合戦だ!この後の卓球何としても勝つぞ!」

 意気込む黒田と意気消沈の上本。

「…もちろんだ。正々堂々と戦おうじゃないか」

 簡易ドローンで覗こうという思惑がそもそもダメだったんだ。ここで勝てばいいんだ勝てば。先に上がっていた慎司に続き、俺たちも上がった。


「我ら生まれた時は違えども、死すべき時は同じと願わん」

 黒田が言うとしっくりくる。盃ではなく牛乳瓶だが。乾杯していから全員で飲み干し、決戦に向かった。


「来たか。勝負といこうじゃないか」

「ははは。1000円で雇われましたよ会長。これが男子のオーダーです」

 慎司は俺たちの名前が書かれたメモを藤堂先輩に渡す。

「ふむ…。そうきたか。これが女子のオーダーだ」

「どうも」

 藤堂先輩も慎司にメモを渡す。

「ほれ凌哉。目を輝かせて読め」

 慎司がそう言ったから俺は慎司の予想通りの結果だとばかり思っていた。

 S1藤宮優妃

 S2音坂千尋

 S3大松京子

 S4小暮可奈

 S5藤堂月詠


 最後の会長しか合っていなかった。


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