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チキンなオレ流高校生活!  作者: 仁瀬彩波
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合宿に行くチキンその5

「うへぇー。癒されりゅ〜」

 慎司がキモい。

 旅館から歩いてすぐの所で足湯が楽しめるなんて思わなかった。俺は結構歩くものだとばかり思っていただけに拍子抜けだ。しかし気持ちいい。疲れが吹っ飛ぶ。

「…リア充が多い」

「何で俺の方見んねん健人」

 確かに足湯のカップル率が高い。デートなのか新婚旅行なのか分からないが、俺たちと同じように歩き疲れたとかで来ているようだ。

「…黒田、覇道でリア充を爆発させろ」

「無理だ」

 だろうな。

「なぁ慎司。女子は今頃何してんのかな」

「そう言うと思って聞いておいた」

 ドヤ顔の慎司。さっすがー頼りになるー。

「那月達がいると混浴に入れなくなるし今のうちに混浴に行っておく、だそうだ」

「「なに!?」」

 ハモる上本と黒田。巨乳狙いの上本と音坂さん狙いの黒田。よかったな黒田、音坂さんなら上本の標的にならなくて。

「こんなん行くしかないやん!」

 まぁかくいう俺も見に行きたいのだが、立てない。お湯が気持ちよすぎて当分立てそうにない。コタツに入って出られなくなるのに似ている。

「我が覇道は不埒な輩を(ほふ)る為にあり…!」

 リア充の爆発には使えないのに()るのには使えるのか。随分と都合がいいな。だがしかし黒田の言う気持ちもわかる。可奈さんは天然だから変な男に何かされる可能性があるが、その時は藤堂先輩がブチギレるだろう。

…噂によるとあの人腕立て伏せ200回と腹筋300回とランニング10kmを日課にしているらしい。手を出さないな。

「お前達を連れていくと俺が怒られる」

 副会長様は会長から何か言われているらしい。

「慎司は女子が危険な目にあっててもいいん!?守りに行かな!」

「危険な目に合わせるのはお前ら何だけどな。色んな意味で」

 確かに。今夜のオカズにされてしまう。

「こいつらもうるさいし連れていった方がいい」

「健人まで…」

 健人の言うこともわかる。俺も出たくない感よりも可奈さんを見たい感が勝ってきた。

「とりあえず場所を変えようぜ慎司。」

「わかった」

 俺の言葉でみんなを動かす。あわよくば混浴に行けるようにしたい。

「はぁー。分かったからそんな目で俺を見るな。会長には適当な言い訳でもしとくから、お前らで勝手に行け」

「よっしゃー!」

 渾身のガッツポーズ。

「上手くやれよ」

 スマホ片手に慎司は俺たちとは反対方向へと走っていく。


「変装準備」

 健人の合図で各自用意しておいたものを取り出す。サングラスとマスクだ。黒田はウィッグとメガネ。上本は髭付きのメガネ。健人は相変わらずの覆面マスクだ。

「よし…突入!」

 俺たちは腰を落とし姿勢を低くし、慎重に侵入する。足音を立てないように忍び込む。この曲がり角の先に女子更衣室がある。男子更衣室は更に奥だ。さて、この怪しさ満点の格好で誰にも見つからずに男子更衣室までたどり着けるのか。周囲に人の気配はない。このまま一気に突っ切るか…。

「そろそろ来る頃だと思っていたよ」

 なっ…。更衣室まであと1歩のところで藤堂先輩に見つかってしまった。

「…慎司ですか」

「あぁそうだな。突然の連絡で何があったのかと思えば変態四天王が来襲する、と」

 藤堂先輩は思いっきり呆れていた。それよりも慎司の奴…。

「我らを裏切ったか慎司…!」

 全く女体に興味ないやつに邪魔されるとは。

「はぁ…。そんなに混浴に入りたいか?」

「「「「はい!!!!」」」」

「それなら勝負をしないか?」

「勝負ですか?」

「卓球の団体戦で勝負しようじゃないか。シングル5戦で3勝したら勝ち。そして君たちが勝てば混浴でも許可してやろう」

 不敵な笑みを浮かべる藤堂先輩。生徒会男子VS生徒会女子+藤宮さん。負けられない戦いが今始まる。

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