表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チキンなオレ流高校生活!  作者: 仁瀬彩波
57/106

合宿に行くチキンその2

 二人目の生徒会メンバー、今川慎司(いまがわしんじ)が肉まん片手に来たがった。それはそうと

「ごめん可奈さん続きは?」

「え、いや…なんでもない」

 む…何か気になるが、まぁいいか。

「慎司、他に誰か来てなかったか?」

「藤宮と上本が有料のラウンジに向かうのを見たけど」

 なんだあいつら。こっちは暇を潰すのに必死だったというのに。


「皆もう着いていたのか早いな」

「こいつらが早く来すぎただけっすよ会長」

 上本に呪いをかけようとしていると藤堂先輩が来た。時刻は8時半。そろそろみんな来る頃だろう。


「あれ、みんな早いねひょっとして遅刻しちゃった?」

「いや大丈夫だ音坂。まだ集合20分前だ」

 音坂千尋(おとさかちひろ)さんと大松京子(おおまつきょうこ)さんの到着。カバンの中に詰め込まれた大量のお菓子の中からクッキーを取り出し貪る慎司。音坂さんがひとつちょーだいと慎司にねだる。渋々慎司は音坂さんにクッキーを渡した。

「ねぇ凌哉くん。ちょっとジュース買いに行かない?」

「あぁいいよ。慎司俺の荷物見ててくれ」

「りょーかい」

 俺と可奈さんは近くの自販機まで歩いていく事にした。

「可奈さんは何飲むの?」

「カフェオレかなー。凌哉くんは?」

「俺はコーラ」

 そう言い俺は自販機に小銭を入れ、ボタンを押す。ガコンという音と共に缶のコーラが出てくる。プルタブを上げ飲む。美味い。炭酸を発明した人は間違いなく天才だ。可奈さんもカフェオレを美味しそうに飲んでいた。

「いよいよだね」

「全力で楽しもうな」

 俺と可奈さんは笑い合った。いよいよ合宿が始まる。


「お、戻ってきたなお二人さん」

 慎司に声をかけられ、ロビーに戻ると皆が揃っていた。相変わらず健人は寝癖だらけのいつもの髪型だ。時刻は9時。そろそろ搭乗の時間だ。

「よし、行こうか」

 藤堂先輩の声に皆が頷いた。あらかじめ決めておいた席のチケットを藤堂先輩から受け取る。左から5席を2列確保してある。席はくじ引きで決めたのだが、窓側の席を取ることが出来るとは幸運というやつだと思ったのだが、隣の席に上本夫妻座ることになっているので相殺されてる気がする。


 手荷物検査を済ませ、飛行機へと乗り込む。リュックサックから必要なものだけ取り出し、上本に渡す。俺の身長だと上に入れにくいんだよ…。

席は俺の横に上本、藤宮さん、黒田、音坂さん。前の列は左から慎司、健人、可奈さん、藤堂先輩、大松さん、となっている。

前に座っている慎司から好きなラノベの最新刊を借りた。これで暇ということはなくなる。窓からの景色を楽しもうとしたら、雲しか見えませんでしたーなんてオチはない。シートベルトを締めいよいよ離陸。乗る度に思うがこの衝撃は何とかならないのだろうか。

 飛行機は一瞬にして雲の上に。さて、読むか。慎司から渡されたラノベ『架空世界の暗殺者』を。グッバイ暇。

 酔った。どうやら今日は気流の影響で結構揺れるっぽい。本を読むなんて一種の自殺じゃないか。もういい寝よう。睡眠不足を補うべく俺は眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ