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チキンなオレ流高校生活!  作者: 仁瀬彩波
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合宿の準備をするチキンその3

 ファミレスに入ると平日という事もあり、店内はそれほど混雑しておらず待たずに席に座れた。

「凌哉くんは何を頼むの?」

「うーん…俺はマルゲリータのピザと唐揚げにしようかな。可奈さんは?」

「私はジェノベーゼとシーフードサラダかな」

 おぉ。何か女子力高そう。ジェノベーゼってあの緑色のアレなはず。見たことはあるが食べたことはない。ボタンを押し注文した。そしてさり気なく俺は席を立ち、水を取りに行った。最近のファミレスはドリンクバーの隣にウォーターサーバーが設置されてたりする。

「ほいよ」

 俺は水を入れたグラスを可奈さんに差し出した。

「ありがと」

 彼女は微笑んだ。

 それから料理が届くまで色んな話をした。主に合宿の話なのだが、やはり誰もが楽しみにするであろつ一大イベント。向こうで何を食べようか、とかお土産に何を買おうか、などの話で盛り上がった。早く合宿に行きたいという気持ちもあったのだが、俺としてはこの時間がもう少しだけ続かないかなぁと、そう考えていた。


「美味しそうだね」

 話の途中に可奈さんのジェノベーゼが届いた。どうやら俺のピザはもう少し時間がかかるようだ。フォークを取り出すも彼女は手を付けない。あぁなるほど

「先に食べていいよ」

 気遣いに気遣いで返す。日本人の心というやつだ。

「なんか私だけ悪いよ。そうだ一口あげるね」

 そう言った彼女はフォークにパスタを巻き付け、

「はい、あーん」

 俺に差し出してきた。

「あーん…」

 軽めのパニックに陥りながら口に含む。味なんてわかるわけが無い。

「どう?」

「凄く…美味しい…です…」

「よかった」

 あなたの笑顔が眩しすぎて直視できません!まぁ直視できないのは眩しいからじゃなくて恥ずかしいからなんだけどな。

「「ごちそうさまでした」」

 二人とも食べ終え、会計を済ませた。俺が奢ろうとしたが可奈さんも奢ろうとしてきた。ここは自分の分は自分で出すという形で落ち着いたのだが、格好つけさせて欲しかった。

「じゃあお菓子買いに行こっか」

「大人のお菓子屋さん以外で頼む」

 ここだけは何があっても譲れない。

「ならスーパーってどう?」

「賛成」

 大人のお菓子屋さんに比べれば何百倍も良い。俺はこの可奈さんの提案に乗ることにした。

 

「着いたね」

 5分ほど歩き、着いたのはショッピングセンター。可奈さんが先に入って行った。

 小学生の頃、遠足のおやつは200円までと決められていて、如何に安く、如何に上手く買うかが求められていた。それゆえにお菓子を買うだけなのに一時間も悩みまくった思い出がある。しかし高校生になった今となっては自分の財布と相談して、買えるだけ買うということができる。大人になるというのも悪くない。

「ちなみに可奈さんの予算は?」

「五百円くらいでいいかなーって思ったんだけど、思い切って千円使うことにするよ。凌哉くんは?」

「俺はいざとなれば五千円使うつもり」

「そんなに!?」

 流石に驚かれる。まぁ確かに一般人の感覚から言えば有り得ない話だろうが、俺にとっては違う。何故ならウェハースを大人買いするつもりで来ているのだから。


「今日はありがとね凌哉くん」

「いやいやこっちこそ付き合ってもらってありがとう」

 買い物を済ませ電車に乗り最寄り駅に着いてしまった。残念だがここでお別れだ。

「また合宿で」

「あぁ」

 お互いに別れの挨拶を済ませ、俺は合宿の準備を終えた。

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