テスト勉強に明け暮れるチキンその2
二学期の期末テストは11科目ある。現代文、古典、数学ⅰ、数学A、英語、物理、化学、地理、日本史、保健体育、家庭科だ。この中で提出物や授業態度を含めた点数で4つ以上40点以下を取ると留年ということになる。つまり三つまではセーフなのだ。馬鹿が赤点0だなんて夢のまた夢の話だが、三つまでなら何とかなると思う。その旨を小暮さんに伝えたのだが。
「弱気になっちゃダメ!とりあえず期末テストは赤点0を目指そうよ。」
とあっけなく否定されてしまった。上本と健人も同じような状況なはずだが、どうなることやら。
テストまで残り5日。土日は塾の講師による授業を夜の6時まで。平日は放課後生徒会室で夜の8時まで勉強させられていた。
「月詠先輩俺もう限界です!これ以上勉強すると脳ミソが爆発します!」
夜の8時を過ぎても藤堂先輩は上本の家に行き、10時まで勉強させているらしい。俺もあそこで調子に乗らなくてよかった。
「人間の体はそこまで弱くない。那月も留年したくはないだろう。さぁ再開しよう」
ぐすんと半泣きで上本が机に向かう。少し可哀想になってきた。しかし俺だって授業中に寝ることを禁止させられてるしお互い様だ。
「そこテストに出やすいから注意な」
「…OK」
慎司と健人は黙々と勉強をを進めている。馬鹿三銃士の中でも健人は優秀な部類。慎司が教えていれば、赤点0も夢ではない。俺も留年はしないと思っているが。
「写し終わった。ノートありがと」
「どういたしまして」
俺は授業中寝ていて書けていなかったノートを小暮さんに写させてもらっていた。書道部だけあって小暮さんのノートは字が綺麗で見やすい。ようやく半分写し終わった。残り五科目。明日までには全科目写し終わりそうだ。
「ねぇ鳥山君」
「ん?」
「今度の土日私の家に来ない?」
「え」
突然の事に俺は持っていたシャーペンを落としてしまった




