チキンな友達の生徒会選挙編その3
昼休みが終わる予鈴と共に今川慎司は帰ってきた。
「おい慎司お前今まで何を「先輩がラーメン奢ってくれたラッキー」
「…誤魔化すな慎司こたえろ」
「いや健人今日に戻れよ。んーまぁ今日の放課後詳しく話すからさ」
納得していないような顔で健人が頷き、そのまま自分の教室へと帰っていった。次期生徒会長の藤堂月詠が同じ生徒会長候補だった慎司に一体何を話したのか。慎司がへらへらしていたのを見る限り慎司にとっては悪い話ではないのだろうが、留年危機にある俺と上本と健人にとっていい話かどうかは分からない。まぁ何せよ放課後に慎司から聞き出せばいい。五時間目の用意を済ませ俺は眠りについた。
「おい起きろバカ凌哉。もう放課後になってる。つか2時間もぶっ通しで寝るとか凄いな」
机に突っ伏して寝ていた俺を慎司に叩かれて起きた。ぼやけた目を擦り視界をはっきりさせた。
「起きんの遅いねんってか寝るの長いねん」
「…やっと起きたか馬鹿が」
どうやら上本と健人がいるらしい。留年候補組が集められていると見るべきか。
「本当によく鳥山君って寝るよねー」
「ち、千尋ちゃんきっと昨日の夜寝れなかったんだよ…」
「あはは…先生に呆れられてたね」
声のする方に目をやると、音坂さん大松さん小暮さんがいた。脳の処理が追いつかない。一体どういう状況なんだ。
「我もいるぞ…この覇道が目に入らぬか」
あぁ、黒田もいたのか。正直女子陣で軽めのパニックに陥り全く気がつかなかった。
「おい慎司、状況と昼休憩の件の説明をしてくれ。処理が追いつかない」
「あぁ、あの件ね。それについてなんだが…」
「続きの説明は私がしよう。」
一人の女性がガラッと教室の扉を開け、ズカズカと教室に入ってきた。
「私は次期生徒会長の藤堂月詠。君を生徒会に招待しよう鳥山凌哉君」
「へ?」
思わず変な声を出してしまった。まだまだまだまだ脳の処理が追いつかない。
「ここにいる皆で生徒会ってことだ」
慎司の補足説明で何となく分かった。ここに皆が集まってる意味も慎司がへらへらしていた意味も。
「藤堂先輩何で俺たちを生徒会に入れるんですか。理由を教えてください。」
「理由か…。それは私が大の年下好きだからだ。」
は?
「年下が好きだから俺たちを生徒会に?」
「ああそうだ。これ以上に理由など必要ないだろう」
なんだこの人は変人なのか。
「そういうことだ凌哉。良かったな念願だった生徒会に入れて」
そう言った慎司は相も変わらずへらへらしていた。




