チキンな友達の生徒会選挙編その1
夏休みが明けたがまだ暑さは残っている。登校初日の夏休みの宿題提出&実力テストで半殺し×2レベルの精神的ダメージを受け俺-鳥山凌哉は早速へろへろだった。そもそも実力テストとは名ばかりの夏休みの復習テストみたいなもので、宿題をやっていない俺は手も足も出なかった。ゲッツーか。
「夏休みの宿題しっかりやればよかったのに」
「上本が悪い。野球が無ければ確実に終わってた」
「はいはい結果論結果論」
「それより慎司、選挙の方どうなってる?」
「今日でもう立候補者は出揃ってると思うから後で見に行く予定」
「同行しよう」
「そんなに気になる?」
「あぁ、俺の進級がかかってると言っても過言じゃないくらい」
「真面目に勉強すればいいのに」
そうは言ってもできないものはできない。家でやるとスマホやらパソコンやらテレビやらで誘惑が多い。図書館でやるとマンガとラノベから誘惑される。
「まぁ流石に強制的に勉強させられるなら集中してできるはず」
「正直落選したら友達が留年するってプレッシャー半端ない」
「ファイトだよ!」
「はいはい」
-そして昼休み。チャイムによって俺は起きた。
「よし行こう慎司」
「へいへい」
目指すは立候補者が張り出される職員室前。ここで立候補者が慎司一人だけなら不戦勝だがそう上手くはいかない。
「ついた。さーて立候補者は何人だ」
俺と慎司がそれと思わしき紙を見つけた。
「4人か。仕方ない慎司俺のために本気を出してくれ」
「任せろ本気じゃなかったら立候補してない!」
それもそうか。張り出された紙には立候補者の学年とクラス、そして抱負が書かれていた。
2年2組 佐久井優希
過ごしやすい学校作りに力を入れていきます。
2年5組 藤堂月詠
この学校を活気と魅力に溢れる素晴らしい学校にしたいと思います。
2年7組 保科瑞樹
誰もが『楽しい』と思える学校にしていきたいです。
1年6組 今川慎司
素晴らしい学校にしたいと思います。
うーむ。
「これもう慎司負けてる気がする。他の全員2年生で女子。しかも抱負がこれでもかってくらい適当。実質不戦敗確定っぽいぞ」
「立会演説で本気出す」
「負けたなこりゃ」
肩を落とす俺と自信満々ドヤ顔な慎司。
俺の単位をかけた戦いが今、始まる。




