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チキンなオレ流高校生活!  作者: 仁瀬彩波
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体育祭のチキンその1

 暑い。

 梅雨であり夏前の今はジメジメとした湿気と高い気温によるダブルパンチでかなり苦しい。

 教室にクーラーはあるが、今俺がいる廊下はかなり暑い。

 雲が多めだというのにピンポイントで日光が降り注ぐ最悪の天気だ。

 悪天候による延期とは何だったのか…。

 水たまり一つないというのが最高に面白い。


 それはそれとして。

 この雪ヶ崎高校の体育祭は8クラスが4つのチームに別れ協力して戦う…というものだ。

 クラスでの順位の他にチームとしての順位も発表される。

 各チーム優勝目指して頑張れということらしい。

 8クラスをダイヤ、エメラルド、ルビー、サファイアの四チームに分ける。

 そしてダイヤは白、エメラルドは緑、ルビーは赤、サファイアは青といったようにチームの色に合わせたハチマキが渡される。

 それを頭に巻きチームを区別するらしい。

 そして気になるチーム分けだが俺や慎司の属する6組は8組と同じチームでダイヤだ。

 そして…

「せいぜい俺らの足を引っ張らんようにしてくれよ健人」

「…ぼっちがリーダー気取りかよ笑える」

「はぁ?何?喧嘩でも売ってるん?」

「うるせぇよリア充爆発しろ」

「うぜぇぇぇぇぇ」

 上本のいる2組と健人のいる3組は同じチームでエメラルドだ。

「おいおい朝からうるさいって。暑いし勘弁してくれよ」

 眠そうな顔で寝癖が凄い慎司はとにかく早く帰りたそうだった。

「まぁ昨日延期だったし開会式の校長の話は長くなりそうだな」

 俺のその言葉を聞きそれぞれ嫌そうな反応をし、それぞれ一旦教室に戻っていった。


「頑張って優勝目指して頑張ろう。」

 本当に優勝したいのかどうか怪しいくらい短いHR(ホームルーム)だった。

 まぁ教室から早く出たいというクラス全員の思いを感じ取ったのか担任による気遣いだろう。ハチマキとスポーツドリンクを全員に渡しそれぞれグラウンドへ向かうことになった。

 早くHRが終わって正直嬉しい。


「てか俺思ったんだけど、ボロボロの公立高校の体育祭のチームで4大宝石がチーム名ってカッコつけ過ぎだよ。もっとシンプルでいいのに」

「まぁな。正直白いハチマキ巻いてチーム名がダイヤってのもな」

「全くだよ。」

「ところで(フクロウ)は種目って何出んの?」

「俺は大なわとびだったかな」

「あぁー楽そうでいいな」

「俺こう見えてなわとび苦手なんだよねー」

 こう見えてと言われても俺からは運動神経悪そうにしか見えない。

「まぁ適当に頑張ろうぜ」

「そうだね」

 つい1ヶ月前に慎司と仲良くなり俺達とも友達と言える仲になった中原龍。

 遠足の頃からずっと『中原君』と呼んでいたのだが、ある日突然「俺のことは(フクロウ)って呼んでよ」とか何とか言い出して。

 なんだかんだあって今に至る。

 あの時はめちゃくちゃ痛い奴だと思っていたが今は割と仲のいい友達だ。


 各クラスHRが終わり一斉にグラウンドに向かう中人酔いしそうになりながら俺の高校生活最初の体育祭は幕を開けた。


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