チキンな友達のチキンなデートその12
「で、2人は幸せなキスをして終了したってことだな」
俺-鳥山凌哉は昼休みに廊下で上本からデートのオチを聞かされていた。
「お前は何を聞いてたんや。特に何もせず終わったわ」
「つまんね」
こいつは何の為に5周年のデートなんてしたんだ。キスどころか一発くらいヤってくるくらいの男を見せろよ。
「チキンかよ」
「ブーメランやねんけどそれ」
反論の余地なし。
まぁでもあれか。
こいつもこいつなりに青春してる。
実に羨ましい。
「話は変わるけど凌哉は体育祭の種目何出るん?」
「あぁ俺は生徒会種目の障害物競走に決まった」
この前のHRの時間に体育祭の出場種目をみんなで話し合って決めた。
俺はなるべく楽そうなやつにした。
…運動得意じゃないし。
「上本は何に出るんだよ」
「そりゃ4×200mリレーよ」
上本は何故かドヤ顔でそう言ってきた。
ガリガリながらも足だけは太く100m走のタイムも良かったと聞く。
クラスでぼっちである上本が脚光を浴びるチャンスだ。唯一と言って過言ではない長所が生かされる時が来た。
「まぁお互い頑張ろうか」
そう言ったと共に昼休み終了を告げるチャイムが鳴り響き俺は教室に戻ることにした




