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チキンなオレ流高校生活!  作者: 仁瀬彩波
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チキンな友達のチキンなデートその8

朝にコンビニで買ったカイロを活用することになるとは思わなかった。

まさか上本は未来が見えてこうなることがわかっていたのか…?

ないない。

ありえない。

偶然に決まっている。

そうであることを祈りながら俺はとある人物に電話をかけた。


「うぃーす」

俺が呼んだのはドヤ顔魔人の今川慎司(いまがわしんじ)だ。

本来リア充殲滅作戦には不向きなので呼んでなかったのだが、馬原が戦死した今、一人でも多くの戦力が欲しかった。


時刻は午後2時慎司が来るまでにいろんなことがあった。

ちょっと大きめのジェットコースターに乗り上本と俺が絶叫したり、お化け屋敷で上本と俺が絶叫したり、もう一度急流滑りに乗り上本と俺が絶叫したり、本当に色んなことがあった。

後今日の昼飯はラーメンだった。

こういう所で食べるラーメンって以外に美味いな。醤油しかなかったが俺を満足させるには充分だった。


話は変わるが、これまでデートを尾行して付き合って5年のカップルがあんなに気まずそうにデートするのだろうか、と俺は感じた。

移動中、手を繋ぎながら歩いていたのだが、藤宮さんは常に携帯を弄っていた。左利きである藤宮さんは右手で手を繋ぎながら左手で携帯を弄るという荒業をこなすことができるのだ。

その間上本は頑張って会話を繋ごうと必死に頑張っているように見えた。それに対して藤宮さんが適当に返事をしているように感じた。

…ちょっと怒ってるんだろうか。


慎司が合流する頃には藤宮さんは電池式のバッテリーで充電しながら携帯を弄っていた。

…いくらなんでも使いすぎろ。


「これからどこに行くんだ?」

今川君よ上本君が計画を練って遊園地に来てるわけないじゃないですか…。

「それは上本(クソヤロウ)の気の向くままって感じだな。」

御説明ありがとう森重君。ただ流石に今の上本に対してクソヤロウはちょっと可哀想すぎるよ。


さっきは一緒に急流滑りに乗ったので若干曖昧になっていたが、今回はリア充に尾行して楽しむのが目的だった。これ以上の接触はなるべく避けよう。


それからというもの上本カップルはただ単に歩き続けた。何を目的とし、何をしたいが為なのかは分からないが遊園地の中を歩き続けた。

そんな上本カップルの行動に対して俺達もモチベーションの低下を避けられず、

「…おいなんなんだよあの二人…歩き続けてもう1時間くらいになるぞ…馬鹿なの死ぬの…」

健人は体力はあるが、何せ人混みが苦手で、それがリア充の比率が高いと尚更だ。

「おい俺なんか突然面白いものが見られるって呼ばれて2500円払わされたんだぞ。全く面白くねぇじゃねぇか」

「いやまぁそう言うなよ慎司。このままいけば破局確定でしょ。俺たちの完全勝利だろ」

「まぁ、そうだけども…」

藤宮さんの親は結構厳しい人なので、五時くらいまでしか居られないはずだ。それまで上本がどう足掻くか見てやろうじゃないか。


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