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チキンなオレ流高校生活!  作者: 仁瀬彩波
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チキンな友達のチキンなデートその7

 この前の遠足で俺は急流滑りに乗らなかった。理由は怖いから。

 遠足の時に乗らなかったのは上本も同じなのだが、彼女が乗りたいと言って断るほど馬鹿じゃなかった。

 そう言えば上本はあの時に買ったラーメンを持ってきたのだろうか。

 上本が持ってきた小さいそのカバンの中身がとても気になった。

 と、気をそらす為に色々考えてみたが、やはり怖いものは怖い。

 そしていよいよ俺たちの番が回ってきた。

 四人乗りの小さな急流滑りなのだが、勢いが凄まじい。

 水に濡れないようにレインコートを買うことができるのだが、全員買わないことにした。高校生のテンションというやつだ。


 丸太のような形をした急流滑りに乗り込んだ。

 縦に四人乗りで、前から藤宮さん、上本、森重、俺という順番で座っている。

「おいおいおいおいこらこら健人君シートベルトはしっかり閉まってるんやから俺の首に腕を巻き付ける必要とかないやろ?」

「…イチャついたら一気に締める」

 健人が上本の耳元でそう囁く。

 イラついた表情でこれでもかと言うくらいに嫉妬している。

 頑張れイケメン。


 最初の方はゆっくりと水の上を流れているだけなので、そんなに怖くない。

 トンネルに入ると目の前が真っ暗になった。

 そしてカタカタという機械音と共に傾斜を上がっているよく。

 前の方で上本が押すなよ押すなよ、と馬鹿なこと言っているのを無視していると突然目の前が明るくなった。

 すると傾斜を猛スピードで駆け降りた!

「…」

「苦じぃ苦じぃ…」

「死ねぇぇぇぇぇぇ」

「うわぁあああああ!!!」

 リアクションは四者四様(悲鳴を上げているのは俺だけだが)だった。

 そして最後に大きな水しぶきがあがり、このアトラクションは終わりを迎えた。


「っくしゅん」

 急流滑りから無事生還し次に何に乗ろうかと考えていた上本夫妻だったが、それを遮るには十分なことだった。まぁ藤宮さんがくしゃみをしただけなのだが。

「大丈夫か優妃?風邪でもひいたんか?」

「…寒い」

 そう言えば藤宮さんは急流滑りの一番前に座っていた。つまり濡れやすかった。変な意味で捉えたそこの君は腕立て伏せ50回の刑だ。

「ちょっと待ってろ。いいもん出してやる」そう言って上本はカバンの中を漁り、朝コンビニで買ったカイロを取り出した。

「ほらよ」

 袋を開け温めたカイロを藤宮さんに渡した。

「…ありがと」

 満面の笑みを浮かべ藤宮さんは上本からカイロを受け取った。

 リア充爆発しろ。

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