決断
ユーゼフ君視点
「黒幕は王弟殿下で間違いないと思われます。」
王、宰相、その他有力貴族達が集まった広間に私の声が響く。
しん…と静まり返った中、王が小さく
「…そうか…」
と呟いた。
その表情は決して明るいものではない。
なぜならその事実は、自らの弟の死を意味するからだ。
「間違いは…無いのだな?」
宰相閣下が問うてくるのに「はい。」と答えるしかない自分が辛い。
「南の貴族街は下流から中流の方達が住まう場所です。
その中で魔術師の塔に出入りすることが出来たのは王弟殿下のみ。
例え王弟殿下が主犯では無かったとしても、手を貸していたことは確実でしょう。
なにより、優希様の限界が近いです。
仮定とはいえ犯人が特定されてしまった時点で始末しに行かずに待っていてくださっているのは優希様曰わく
「弟が突然殺されたと知らされるのは可哀想だから」
だそうです。」
告げた言葉に王は深いため息をついた。
「わかった。
弟の処理は勇者…いや、優希殿にまかそう。
皆もそれでよいな?」
問いかけに宰相以下貴族の方達はただ静かに頷いた。
「ではユーゼル。優希殿にお任せします。と伝えてくれ。
殺さないでおくのは無理だろうが出来ればこんな事をしでかした理由くらいは聞けるものなら聞いておいて欲しい。」
王の指示…いや、お願いに了承の意を示し、私は広間を退出して優希様の元に向かった。
彼女は待っていてくれるだろうか。




