ちょっとほっこり。
短いです。
さてはて、久々の王城ですが変わってないね~。
人が全く居ない城内をぽくぽく歩いてたどり着いたのはユーゼルの執務室でした。
書類や本がそこかしこに積み重なってる部屋を見て
相変わらず片付けのできない子だなぁ~
と思いながらすすめられたソファーに大人しく座る。
すかさず出てきたお茶とケーキは私の好みそのものです。忘れてなかったのね~えらいえらい。
このままのんびりしたい所ですがそうはいきません。
「さて、ユーゼルくん。説明してもらおうかな♪」
ケーキを貪った(お腹空いてたんだよぅ!)後はお話タイムです。
「はい。まず今回の召喚は先ほども言いましたが王命ではありません。
非常に申し上げ難いのですが貴女に憧れた一部の馬鹿共の仕業です。私が異常な魔力を察知してそこに向かった時には集団で召還に挑戦し、成功させてしまった後でした。その場で全員捕縛し、牢にぶち込んで詳しい話を聞きだしている最中です。
私は連中の「勇者を…」という言葉を聞いて城門に向かったところで貴女に呼び出されたのでその後、あの大馬鹿共が何を思って行動したのかは報告待ちですが、多分!ロクな理由など無いと思いますので!!後で全力で〆めようと思います!!!」
何か最後のほうユーゼルくんの背後からどす黒いオーラが見えたんだけど気のせいかなぁ?
ま、いっか。
とりあえず王族とか上層部の前回召喚してくれやがった面々はユーゼルくんの知っている限りでは関係してないみたいだし殺るのは保留にしておいてあげよう。
「んじゃ、行こっか」
「えっ!?何処にですか?」
ユーゼルくんが恐る恐る聞いてくるので安心させてあげましょう。
「牢屋。勇者に憧れて~とか言っちゃってるけどそれだけで召喚が成功する訳がないじゃん。召喚用の術式は私が帰還する時に破棄できる分は全部破棄させたはずだしね。そうなると後ろに誰か“私を召喚したい人物”が居る筈なんだよ。私の事を直接知らなくてそこそこ権力持ってる人物がね。
聞き出して殺んなきゃいけないからサクッと聞き出してみせるよ~仲間の2、3人死んだら素直に吐くでしょう。」
私の言葉でユーゼルくんは顔面蒼白になってしまった。
王様とかには手を出さないから大丈夫だよ!って伝えたかったんだけど分からなかったのかな?
「………貴女の怒りは彼らを殺すことで治まって下さいますか?」
…………あぁ。気づいちゃったのか。隠しても無かったのだけど。
私は怒っている。そのこと自体は彼も気付いていただろうけど、どれくらい怒っているかは把握しきれなかった。
これは私が軽い態度を取っていたから、というのもあるだろう。
そして今、彼は気付いてしまった。私が関係者を皆殺しにするつもりである、という事を。
それを邪魔する人間には容赦するつもりが無い、という事を。
ユーゼルはソレを見過ごすつもりだ。
つまり彼は私の怒りを鎮めるために彼等を犠牲にすることを選んだのだ。
だから私も期待に応えねばならない。
「そうだね。私が召喚されたときに誓ったのは
“召喚した者とそれを命じた者を殺す”
というものだからそれ以外の人は私の邪魔をしない限り手を出すつもりはないよ。」
私がそう言うとユーゼルはギュッと拳を握ったあと、瞳に覚悟を乗せて告げてきた。
「ご案内いたします。」
……………うん、その目、ちょっと好きよ。言わないけどね。
あれ?ほっこ…り?




