初めて小説を書く人へのメッセージ
とにかく一本作れ、です。
執筆なんていうと、なにやら難しそうな趣味に思えます。
でも、こんなもの、他のあらゆるものと同様、慣れです。慣れてしまえば、いくらでも、どんなものでも書けてくるものです。
とにかく書きましょう。
プロットいじっていても、他人の小説眺めていても、始まりません。自分で書くしかないのです。
あと、とにかく完結させましょう。
執筆は、完結させることに意味があります。
プロットや文章の切れ端から、小説という一つの作品、一つの世界へと編み上げていく、その課程こそが、この趣味の醍醐味なのです。
プロット考えているのは楽しいのですが、プロットだけでは自己完結的です。小説という形にすることで、自分の外へ、自分の世界を広めることができるのです。
執筆というのは、なかなか時間のかかるしんどい作業ですが、続けることで執筆的スタミナもついてくることでしょう。
我が執筆黎明期も、未完結の小説を量産しました。
今となってみれば、ゴミの山ですね。脈絡ない設定、プロット、ランダムな戦闘シーンの数々……。
役に立ちません。ゴミを量産しても仕方がありません。
完結させることを主眼に置くべきなのです。
クオリティなんてそのうちついてきます。気が向いたときに、古い作品をリメイクすればよろしいのです。
初めのうちは、完結させるのにぎょっとするほど時間がかかることでしょう。
でも、そのうち慣れて、短編ぐらい一日で書けるようになります。
長編でも二週間くらいで形になるようになります。
百時間単位で訓練しているうちに、人間、驚くほどの進歩ができるものです。
進歩を楽しんでください。
やっているうちに、味わいが出てきます。
極めれば、極めた者のみが楽しめる境地と言うところにたどり着けます。
どんな趣味だってそうでしょう?
あと、スポーツ界では、初心者が急激に激しい運動は禁物だと言われています。
普段運動していない人が、急に激しく身体を動かすと、筋肉痛はもちろん、ひどい怪我にもつながりかねません。
執筆でも同じことが言えると思います。
いきなり原稿数百枚の大河長編よりも、まずは軽めな作品から初めた方が安全かもしれません。長編を完結させるのには大変な労力が必要です。
私自身、一年目の長編作品にはトラウマが多いです。
当時は徹夜なんてして書いていました。
執筆で健康を害するのは、わりにあいません。長期的な視野で見れば、健康を害するのは確実に損です。
焦らずに、がんばりましょう。