ものを書く人間としての、最低限のルール
ネットでは自由です!
執筆家が何を書き散らかすにしても、それを規制するものはありません!
ネットがどのように発達してきたかを考えれば、もはや倫理観やマナーなんてものは、あってないようなもの。
周りに転がっているネット小説を読んでみてください! 現実、もはや何でもありです!
創作家として気になってくる、パクリ、盗作、著作権うんぬんも、それを証明することには根気がいる作業であることから、大した脅威とはなりえません。
上品な話を書かねばならない、教養ある話を書かねばならない、創作家のタブーたる盗作は許されない……。
そんな秩序となり得るのは、著者本人の倫理観程度しかないといえます。
そして、倫理観なんてものは、執筆者にとって、脅威でもなんでもありません。俺は書きてえモノを書くんだ!
……とすれば、小説として『最低レベル』というのは、読むことが物理的に可能かどうか。その一点に集約されるのでしょう。
書く側として、これは非常に楽な状況です。
私は、基本書くことを専門として、あまり余所様のアマチュア作品にタッチしない方針を貫いてきました。が、新たな地平線を開拓させていただくべく、ここ二週間ばかり、アップされる余所様作品を上から順に読んでみました。
結論から言えば……私の作品は相当ヒドいレベルであると自覚していますが、世間様の作品も負けず劣らずひでえです。
起承転結以前の問題として、脚本なのかシナリオ集なのかよく分からないものが無数にありました。
まともな助詞を使用して、俗に言う小説作法を守って、ちゃんと改行するだけで、『上』の方の部類の小説に仲間入りすることができるでしょう。
感謝すべきは、驚くべき裾野の広さ……。
似たような話は、出版社も言っていた記憶があります。
賞金目当てのコンペディションを行うとすると、持ち込まれる作品の大半が、この最低レベルを脱却できていないため、審査以前の段階ではじかれてしまうそうです。
まともな小説を書こうとしている貴方は、これを聞いて安心できるでしょう。
もっとも、私は作法にうるさい小説投稿サイトで育ったため、こんなことを気にしているのかもしれません。
読めるというレベルと、それ以上のレベルには話にならないほどの差が存在します。
受け入れられる、読ませる、引き込ませる、読者を虜にする。これは相当難しい技術です。
人気小説になるかも、同様のことが言えます。大衆心理なんてものは、おいそれと予測できるものではありません。手抜いて書いた作品が大人気で、入魂の一作が誰にも省みられないということは、ままあることです。
以上のことより、小説に関して言えば、他人の評価を気にしていては、正気を保つのは困難に感じます。
他人の評価など気にせず、書くことにのみ集中するのが健全な努力と言うものでしょう。
商売の意図が絡むとなると、なお難しそうです。
執筆を趣味としている私は、ここに近づく予定はありません。




