手書き? パソコン? デジタルアナログ・トワイライト
小説は紙に手書きするべきでしょうか? それともパソコンに打ち込むべきでしょうか?
私は、手書きをおすすめします。
もちろん、こうやってネット上に文章を発表する以上、最終的に文章をパソコンに打ち込む必要がありますが、二度手間であることを差し引いても、手書きすることが優れていると感じます。
手書きとタイピングでは勢いが段違いなのです。
タイプミスだの段落だの気にしない。
漢字が出てこなきゃ、ひらがなでいい。
とにかく没頭できる。
とにかくスピードを優先できる。
文字で、勢いを表現できる。
文章を書く際には、勢いが何よりも大切である。これは私の信念です。
細かいところは、後でじっくり遂行すればいいのです。
勢いに関して、デジタルではアナログに、とても敵わないと思っています。
私のタイプスピードが稚拙というのもあるのでしょうが、それ以前に、私の中のイメージを液晶画面に移す、そのタイムラグが惜しいのです。
インスピレーションが浮かんだら、一刻も早く文章化しないといけません。速さは何にも増して価値があります。
パソコンが立ち上がるのをのんびり待っていたら、インスピレーションは去ってしまって、二度と戻ってきません。
また、私が小説をばりばり書いていられる『本気モード』の精神状態は、三十分ほどしか持続できません。その状態の時には、なるべく小説世界以外のノイズがあってほしくないのです。
でも、その最中に指をせっせと動かしてタイプするという行動自体が、ノイズであり、創作スピードを落とすストレスなのです。
あと、プリントアウトした紙を並べて、全体的な視野も得られるというのは、アナログの強みだと思います。
ただ、殴り書きした小説は、読み返すのに辛いものがあります。複数のエピソードが様々な紙片に散らばっている上、紛失の危機もあります。
紛失は大きくモチベーションを低下させます。絶対に避けなければなりません。
そこで、我がデジタル方面の主戦力、ポメラ&キンドルコンビの出番です。
ポメラに打ち込み、キンドルで読み直します。
キンドル開発以前は、プリントアウトした紙に書き込む形で小説を発展させていました。でも、大量の紙ゴミが出ないで済む、キンドルの方がエレガントです。
最近は、キンドルの上にメモ帳置いて書くスタイルを確立しました。
とまあ、今は、こんなある種のデジタル・アナログ折衷法を取り入れています。
だいぶ便利な道具が出てきてくれましたが、デジタルがまだ私の求めるレベルに追いついていないと言えます。
将来的に生まれて欲しいのは、掌中に収まり、手書きの文字を正確にOCRしてくれるコンピューターや、メガネ型ディスプレイ、音声入力キーボード……。
どれも現在進行形で開発中でしょうから、そのうち我が執筆デバイス戦力として参戦してくれることでしょう。
また、総合的に便利なデジタル機器も、いちいち同期するのは骨です。通信面でも更なる発展を期待しています。
ついでにアナログ側のアイテムについても書いときます。
文房具は小学生の頃からドクターグリップ一択です。
頑丈なのと、同じ銘柄のものがどこででも手に入って替えがきく点が強みです。
……戦場に行ったら、カラシニコフを選ぶタイプですね、私。
他のファンシーなペンを装備したこともありますが、持ち歩いているとすぐにパーツが紛失したり、折れたりと、我が蛮用に耐えません。
その他の文房具、万年筆や鉛筆はもちろん、毛筆や蛍光ペン、チョーク、木炭まで試して執筆したことがありますが、話のネタにしかなりませんでした。
ここ数年はドクターグリップの中でも、四色ペンの奴を好んでいます。
大量にプリントアウトして執筆していたのですが、あまり頻繁にプリントアウトしては、紙が勿体ないと思ったので四色ボールペンを使っていたのです。
赤色で書き加えて、パソコンに打ち込んで、読み返して、文章量が足りないところは、紙に青色で書き加えるなんてことをやっていました。
もちろん、四色ボールペンは、一つのインクが切れたら、即座に色を変えて書き続けることができるという強みもあります。
小説を書き込む紙の方は、いらない紙の裏を使用しています。パソコンに移し終えたら、すぐに廃棄します。
ノートやメモ帳に金をかけたことはありません。
これからもかけないでしょう。
ノートに書くと、めくったりちぎったりのプロセスが面倒です。
常時持ち歩くメモ帳は、いらない紙を裁断したものを、レストランのウェイターの持つ小さな紙ばさみに挟んだものを使用しています。
薄いプラスチック制の紙ばさみは簡単に割れるてしまいますが、テープで徹底的に補強すれば、実用には問題ありません。
あと、小ネタですが、紙に書くときは、真ん中に腺を引いて、縦に二分します。
これは速記のテクニックだそうで、左から右へと文を書いたとき、腕をまた左へ動かす時間を節約するために、ノートを縦に区切るそうです。
少しでも能率を上げようという、こういう姿勢、大好きです。




