プロット製作4 複雑な話
プロット制作について話しているのに、『プロットは別に必要ない』と結論づけてしまってもアレなので、実際に複雑なプロットを作ってみます。
プロットは何に書くべきなのでしょうか?
大きな視野を得るために、大きな紙に書くというのはどうでしょう。
画材屋で巨大な紙をゲットです。
また、アイディアに柔軟性を持たせるために、書いた文字を移動させることができると便利そうです。そこで、ポストイットに文字を書いて、大きな紙に貼ってみます。
KJ法を彷彿とさせるテクニックです。
あいにく、これは全然うまくいきませんでした。
ポストイットは意外と剥がれやすく、紛失の役にしか立ちませんでした。
そもそも大きな紙というのは管理が大変です。プロットを作るために、専用のイーゼルを用意するというのは、どこか間違っている感じがします。
ホワイトボードを使ったこともありましたが、こちらは書いたことを保存するのが大変です。いちいち紙に書き写すのなら、はじめから紙に書くべきでしょう。
結論として、シンプルが一番なようです。
そういうわけで、我が執筆主力兵器のメモ帳や、ポメラに書いてある小説本編の、後ろの方にちょろっとプロットを乗っけておくという方法で落ち着きました。
冒頭のプロット作成法に『大きな視野』という点では適わないかもしれませんが……それなら、必要に応じてデータをプリントアウトするだけのお話。
この柔軟性、機動力が電子デバイスの強みですね。
創作家として、執筆のスタート地点たるプロットに凝りたくなるるものなのですが、
所詮は作品の予定表・進行表でしかないのですよね。
プロットに時間を書けすぎてもどうしようもないわけです。
寝かすなら寝かす。書くなら書く。この切り替えが大切に感じます。
作品の質に影響を与えるのは、設定よりもドラマの濃淡と言われますし、そういった技術をモノにするには、一杯書いて一杯読むほかないと考えています。
そういうわけで、『プロット軽視』主義に偏りかけています。
とはいえ、何事にも挑戦は必要。最後にもう一度、重厚なプロット制作にチャレンジしてみましょう。
複数主人公・複数時系列の大河小説。
新撰組っぽい対テロ特殊部隊が時代に翻弄されるお話。
極めて複雑な人間関係&時系列を、B3サイズのスケッチブックに書き込んでいきます。ポストイットを使わず、鉛筆と消しゴムを駆使します。
二種類のフローチャートを作り出して、物語内のタイムライン(年表)とキャラの行動、心情変化、発生したイベントがどう影響した、仕込んだ伏線をまとめた、著者用タイムラインを並べます。
舞台や膨大なわき役を整理するために、辞典を制作。
作品世界内での文化も大切です。それから、重要アイテムや登場兵器のカタログデータ……。
すごい分量になりますね!
ある程度作ったところで、プロジェクトは凍結しました。
ここまで作って、スケッチブック10枚ぐらいでしょうか。そして、まだまだ序盤。クライマックスは遠いです。
完結する目処も立たない大河長編は、なかなか書き出す気にならないものですね。
こんな作品を生み出せるような執筆スタミナと集中力と時間を持てるようになりたいです。
ポップカルチャーのプロットについて言及しておきます。
妙に複雑なプロットのアニメとか時たま見かけます。
見終わった後に、話の筋が思い出せないなんてこともザラにあるのですが……そこまで複雑である必要があるのでしょうか?
娯楽として楽しめる複雑さを越えている感じもします。
私はシンプルだけど味わい深い作品が好きですし、それを目指して創作を続けています。
そういうわけで、最近は主人公の動きを追うだけのシンプル作品ばかり書いています。