マンネリ打破! そのゴールデン・タイムを破壊しろ!
今までの私のゴールデン・タイムは早朝でした。
今は夜。一日中立ちっぱの仕事がどうにか終わり、満員電車で帰宅中。こんなに疲れていて文章なんて書けるはずがない!
……いいえ、書けます。現に、この文章は週末の夜遅い電車の中で書いたものです。
人間とは変化を嫌う生き物です。
リスクを避けて、平和で生暖かい現状を維持しようとします。これは、本能としてプログラムされているため、意識して自分を変えようとしない限り、自分は変わらないものです。
新しい言語を覚えようとしたり、禁煙しようとしたり、早起きしようとするのには、労力や強固な意志が必要なものです。
一方で、現状を維持しようとする習性をうまく利用して習慣形成を行い、『執筆しないことが異常』という状態に自分を持って行くべし、といったことに関しては以前のエピソードで書きました。
苦労して習慣を形成して、多量に小説を生産できるようになったとします。これで生産量は増えるし、腕は上がるし、多くの人に読んでもらえる! やったね!
ところがどっこい、その好調は永遠に持続しません。
習慣を定着させても、やがてはマンネリに行き着いてしまうことでしょう。
つまり、日常パターンに飽きてしまうのです。
マンネリ! 創作の永遠の敵!
習慣化による最大限の生産量を維持しつつ、いかにマンネリを避けるか。それが課題です。
私の経験によると、だいたい一ヶ月でマンネリが訪れます。
今まで、調子よく書けていた日常パターンのはずなのに、ある日ぱたっと書けなくなります。
紙を前にしてみても、全く書く気が起こらない、筆が進まない、情景が頭に生まれてこない。
マンネリを原因としたスランプとも言えます。
誰をも苦しめるスランプですが、手っ取り早く脱出する方法なんてあるのでしょうか?
まずは地道に体力を回復させるのが一番だと思います。スランプの時は、大抵疲れていますから。睡眠&食事を充実させます。
体力が十分なら、根っからの創作家である私が、そういつまでもモノを作らずにいられるはずはないのです。
それから、マンネリを脱却するべく、日常パターンをいじります。
朝書いていたのを、夜書くことにします。喫茶店で書いていたのを、家で書いてみます。机に座って書いていたのを、寝転がって書いてみます。BGMをクラシックからジャズに変えてみます。縦書きを横書きに変えてみます。文房具を変えてみます。
……いろいろ変化させてみて、しっくりくるものを模索し続けます。
新環境に適応するまで多少生産量が落ち込むことでしょう。
それすら、創作の内容にキメを与えるアクセントだと思えば、どうという事はありません。
重要なのは、変化を恐れない心です。現状維持を求める本能からの脱却です。
例え環境が変化しても、ひるまずに書き続けることのできる執筆力を得ることができれば、それは大いなる収穫でしょう。
生産量をグラフにすると、富士山のような形になると思います。
適応するまで、ペースが上がっていって、やがてピーク期がしばらく続きます。
マンネリが始まるにつれ、がたっと書けなくなって生産量が下降します。
目指すところは、このピークに速く到達することと、ピークを持続することです。