第103話 打つ手なしの第三小隊
戦闘痕が痛々しい街の入り口に四人の若者が立っている。ディステリアたちは、彼らに見覚えがあった。
「シナリの四人か?」
「ナヘナッツァーニ、トバディシュティニ、アナイエネズザニ、ナイディギシ」
アイアンガが驚いた声を上げ、シナリの四人が駆け寄る。
「お前ら、遅いぞ。何やってたんだ」
「敗走していた先住民の若者を逃がしてたんですよ。ついでに、原初の怪物を改造していた恐れ知らずの軍人を、ちょっとばかりしめてたくらいです」
トバディシュティニとアナイエネズザニに、「そうか」とカイポラは口元に手を当てた。
「あの怪物は、間違いなくアナイエだ。奴ら、原初の怪物をクローンとかいう技術で蘇らせた」
「なんと愚かな・・・・・・」とアイアンガが顔をしかめる。
「私のテリトリーの森でも、封印されていた魔獣を解放した。当然、生存者はいない」
顔をしかめるカイポラと表情を暗くするセルスを見て、ナヘナッツァーニが眉を寄せる。
「お前ら、まさか失望したのか?」
「えっ?」
顔を上げたセルスたちに、ナヘナッツァーニはしばらく黙った後口を開く。
「あえて厳しく言うが・・・・・・人間を守るにあたって、これくらいのことは『この程度』に過ぎん。この程度で失望するなら・・・・・・ブレイティアという組織を抜けろ」
「おい・・・・・・」
手を伸ばしたナイディギシが止めようとするが、それを押し退けナヘナッツァーニがセリュードたちに詰め寄る。
「これだけの愚行を見せ付けられても・・・・・・どれだけ突き放されようと・・・・・・人間を守る以上、失望などしていられない。こんな日常茶飯事に近いことで失望してたら、俺たちはとっくに人間を見捨ててる」
「・・・・・・・・・じゃあ、なんでまだ守ってるんだ?」
口を開いたのはディステリア。ナヘナッツァーニは彼に詰め寄る。
「信じてるからだ!」
高らかに言い切り、場を沈黙が包み込む。ディステリアの性格からまた突っかかるんじゃないかと誰もが、特にセルスが心配したが、彼は静かだった。
「・・・・・・そうか」
一息ついたディステリアは歩き出した。誰もが唖然としていると、足を止めたディステリアが振りかえる。
「イェーガーで次の目的地に行くんでしょう?早くしないと、また面倒ごとに巻き込まれますよ」
「あ、ああ・・・・・・」
セリュードが答えて歩き出すと、残りもそれに続く。町外れで収納用のカプセルからイェーガーを出すと、それに乗って次の目的地へ向かった。
―※*※―
ノーサウリカ大陸にあるとある洞窟。中で焚き火をしているカイネは、壁の元で眠っているヘスペリアに目をやる。両腕や太もも、頭に包帯を巻いており、静かに寝息を立てて眠っている。物憂げな表情で視線を外したカイネは顔をうつむける。と、入り口のほうに凄まじいプレッシャーを感じ、すぐ顔を上げる。そこに立っていたのは、重厚な鎧をまとった男。
「なんだ、あなたでしたか」
深く息をついて立ち上がり、出迎えるべく歩いて行く。しかし、その男はカイネの首筋に剣を突きつける。目を見張るカイネに、男は鋭い視線を向けている。
「・・・・・・なんのマネですか?」
「幹部がみすみす前線に出ることはありえない。気を抜くな・・・・・・と教えたはずだ」
「どうせ、作戦の失敗続きで耐えられなくなったあなたに、ソウセツさまが出撃許可をなさったのでしょう?」
言い当てられ、男は剣を下ろしそれを消す。
「八将軍の猛将、ヴォルグラートさま」
「ふん・・・・・・」
顔を背けると、ヴォルグラードは視線を逸らす。
「守備はどうだ?」
「フォルプ集落の若者が暴動を起こしました。ただ・・・・・・」
「ただ、なんだ?」
「同じく、偽情報をもたらすため先住民の集落に潜んでいたスパイが半数以上倒され、残り全員は退却を余儀なくされました」
「ちぃ・・・・・・また痛み分けか!!」
甲冑の下で歯軋りし、怒鳴ったヴォルグラードの声が洞窟内に反響し、ヘスペリアが眉を寄せる。
「うっ・・・・・・」
「お静かに。彼女の傷に響きます」
「負傷したのか・・・・・・?」
「ええ。忌々しいシナリの介入にあって、ね」
奥で寝ているヘスペリアが目に止まったヴォルグラードは、顔をしかめて吐き捨てたカイネに細くした目を向ける。
「なら、カイネ。この大陸で脅威になりうるのは、そのシナリという奴らか」
「ええ。彼らも厄介ですが、それ以上にうっとうしい者が。この大陸にやって来たブレイティアの部隊は、こちらの偽情報を真に受けたハルミア軍の攻撃を受けて撤退していきました。しかし、光と闇の力を使う者以下三名、各地で我らの邪魔をしていた者がまだ残っています」
「ほう、それはいいことを聞いた」
ヴォルグラードが笑みを浮かべると、「何か?」とカイネが首を傾げる。
「我が目的はソウセツさまの妨げになるものをなぎ倒すこと。世界を巡ってるということは、その者ども播種戦力なのだろう?なら、そやつらを潰せば、ブレイティアに打撃を与えられる」
「もしもし。シナリには何もしないので?」
「そうだな。まずは運動がてら、そのシナリという連中を相手にしよう」
「勝手にどうぞ」
気の乗らない様子のカイネに、洞窟を出かけたヴォルグラードは足を止め睨み付ける。
「ブレイティアの主戦力への攻撃には、おぬしも加わってもらうぞ」
「わかっています。しかし、すぐには動けませんよ」
「その娘か?」
言い当てられ顔色を変えたカイネに、ヴォルグラードは眉を寄せて振り返る。
「その者の手当をしたのはおぬしか?」
「気を失っている者に自分の手当てはできないでしょう」
「確かにそうだが、それは使うためか?」
「何がおっしゃりたいので?」
眉を寄せたカイネは、低い声で聞く。上司の上実力も段違いのため、怒鳴って怒らせるわけにはいかない。
「契約対象者に情が移ったのかと思ったぞ」
「私が?ありえません」
「だといいがな・・・・・・」
ヴォルグラードはしばらく黙り込み、背を向ける。
「・・・・・・あまり入れ込むな。どうせ、捨て駒だ」
ヴォルグラードの言葉に眉を動かすが、それを思い出したのかすぐ平静に戻る。
「・・・・・・・・・はい」
顔をうつむけたカイネの顔は、どこか釈然としない様子だった。
―※*※―
崖や岩が多い荒野の真ん中。幾度も響く金属音、砕ける岩、降り注ぐ欠片、舞い上がる土煙の中、黒いナイフを持つトバディシュティニと大剣を握るヴォルグラードが激突していた。ヴォルグラードが踏み込んでトバディシュティニを吹き飛ばすと入れ違いにナヘナッツァーニが切りかかり、それを払い除けるとアナイエネズザニ、ナイディギシが光と闇の矢を飛ばす。ヴォルグラードが剣の一閃でそれを払うとトバディシュティニとナヘナッツァーニが両方から切りかかり、それを剣と腕に付いている小型の盾で受け止める。
「ぐっ・・・・・・」
ヴォルグラードが唸り声を漏らすと、トバディシュティニとナヘナッツァーニは横にずれ、踏み込んで敵を吹き飛ばす。着地したヴォルグラードは、苦々しく眉を寄せていた。
「そういえば貴様ら兄弟神は、この世界で生まれ育ったのだったな。神界生まれの神と違い、ホームグランドで戦っているのと変わりない」
「そういう俺たちと互角に渡り合ってる、あんたは何者だ」
「世界を憎み、滅びを望む者だ」
ナヘナッツァーニの問いに答えたヴォルグラードに、シナリの四人は目を見張る。
「世界を滅ぼして、どこに暮らすつもりだ?」
「知らぬ。だが、我はこの世界になんの未練もない。ただ望みを果たすのみ」
「それがどれだけ愚かなことか・・・・・・」
「愚かか!愚かはどっちだ!?」
唸るナイディギシにヴォルグラードは叫び返し、大剣を向ける。
「今の世界は貴様らが守った世界とは違う!昔はあった価値が今はないのだ!」
「安易な決め付けだな・・・・・・」
ナイディギシの言葉を鼻で笑い、剣を地面に突き刺して土煙を起こす。
「逃げる気か!?」
「仲間を待たせているものでね。先にあちらを片付ける!」
土煙が晴れると、そこにヴォルグラードの姿はなかった。
「また来る気か?」
「だろうな。今度こそ、俺たちを倒す術を引っ下げて・・・・・・」
「俺たちの力は知っただろうからな」
眉を寄せながらアナイエネズザニ、ナヘナッツァーニ、トバディシュティニの順で唸る。
―※*※―
忍び込んでいたデモス・ゼルガンクのスパイに煽られて、族長の孫であるイルグレイ率いる若者たちが集落に近いハルミアの州を襲ったことで、そこの住民とフォルプの人々は大きな損害を受けた。幸い、カチナたちの報せを聞いたシナリの四人によってイルグレイを初め、生き残っている若者は助け出されたが、首謀者であるイルグレイはフォルプ族始まって以来の大罪で収監された。
それから一週間後、イルグレイたちに処分が言い渡される時が来た。何人もの補佐役やフォルプの人々に囲まれ、族長の家の前に座り込んで震えているイルグレイを初め、暴動に参加して生き残った若者たちの前に、二人の補佐と共に祖父であり、族長ある老イルグレイが出て来た。
「じ、じいちゃん・・・・・・本当にすまない・・・・・・お、俺・・・・・・」
「口を慎んでもらおう。いくら族長の孫息子でも、こういう場ではなれなれしい会話は許されない」
「何より・・・・・・あなたのしたことは、許されるべきことではない」
イルグレイの声を二人の補佐がさえぎり、老イルグレイが険しい顔つきで口を開く。
「重罰を・・・・・・覚悟されよ」
やがて、二人の補佐が分けて罪状を読み上げ、刑を言い渡すために老イルグレイがイルグレイたちの前に進み出た。イルグレイたちは、極刑も覚悟した。
「君たちのした軽率な行動のために、多くの仲間が死んだ。許されることではない。騙されていたとはいえ、それは変わらない事実じゃ。じゃからこそ、それ相応に罪を償ってもらう」
老イルグレイの言葉に、イルグレイたちは皆、覚悟を決めた。
「まず・・・・・・首謀者イルグレイを・・・・・・追放刑に処す」
極刑についで厳しい罰の『追放刑』が言い渡され、その場にいた人々はざわめいた。
「ただし・・・・・・軽率な行動とはいえ、我らの未来を考えての行動ということを考慮して、永久追放とはしない。イルグレイよ。ブレイティアの一員として、この事態を収拾する手助けをするのじゃ」
イルグレイは涙ぐみながら、「わかり・・・・・・ました」と答えた。
「そして、その他の者には・・・・・・この大陸に来ている、ブレイティアの面々を助けてもらう。もちろん、わしらを守りつつ、な」
「し、しかし・・・・・・いくら俺たちの人数が多いといっても、それは無茶では・・・・・・」
「まだ言い渡しは終わっていない。口を慎んでもらおう」
若者の一人に補佐の一人が注意する。
「無論・・・・・・彼らの基地に通えとは言わぬ。我らを守るために滞在している彼らに、協力してもらう」
刑を受ける若者たちが、それぞれ顔を見合わせる。その後、刑の言い渡しが終了したらしく、広い間隔で周りを取り囲んでいた、武装した人々が受刑者たちの縄を解いた。
「以上が、私たちらへの刑の言い渡しだ。どの道、私たちらをあおった奴らは我らを根絶やしにするつもりだろう。だから、彼らが守りに付くことになった。彼らの目的はあくまで、この世界を守ること。他国へ攻め入り、滅ぼすことではないという。族長としては甘いかも知れんが、わしはそう信じることにした。もしそれに反感を持つ者がおれば、ここを出て行ってもかまわないと思っている」
「何を言っているのですか」
「我々はあなたを信じています」
口々に信頼の言葉を投げかける人々。これは、集落に住む全員が老イルグレイとブレイティアの人々を信じると決めた証だった。
「皆の者、本当にすまぬ。だが・・・・・・ありがとう!」
―※*※―
「・・・・・・ということで、しばらく世話になる」
サウサリカ大陸から発った小型スキールブラズニルは、途中でイルグレイを拾った。リビングで挨拶をした彼に、ユーリたちは唖然としていた。
「えっと・・・・・・つかぬことをお聞きしますが、なんでここに?」
「軽率な行動をしたとして、追放された」
「事情は知らないが、自業自得というわけか」
冷たく言うクドラに、「そうだ」とイルグレイが返す。
「だから、刑の期間が終わるまでお前らに協力しろと言われた。断わられても、俺は精霊の助けを借りてお前らのアジトに行く」
「精霊の力とやらは使えなくなったと聞いたが?」
「一週間頼み込んで、聞き入れてもらった」
クルスの問いに答えると、「よし、気に入った」とアウグスが立ち上がり、ユーリたちは驚いて振り返る。
「乗っけてってやる。だが、そこから後はお前の力でなんとかするんだ。できるか?」
「それがテストですか?やってみせますよ」
「ふっ、いい返事だ」
笑みを浮かべたアウグスに、「正気ですか?」とユーリが聞く。
「まあ、な。こちらの調べでも、こいつは城だとわかっているし・・・・・・他に行き場がないんだったら、断わる理由はないだろう」
「はあ・・・・・・」とユーリが呟くと、歩いたイルグレイがその視界に入る。
「あんたと同じ組になることはないだろうが、なった時はよろしく」
「お、おう・・・・・・」
ブレイティアに反感を抱いていると言うことをディステリアたちから聞いていたため、無愛想ながらもちゃんとした挨拶にユーリは面食らう。
「その時は、足手まといはごめんですよ」
その一言に眉を動かす。意外といい奴かと思った先ほどのイメージは、簡単に崩れ去った。
「え、ええっと・・・・・・」
「おや?『やっぱあんたは気に食わない』とか言うと思ってましたよ」
戸惑いの声を漏らすリリナの後、
「じゃあ、言ってやろうか?」と裏の人格が表に出たルルカが詰め寄る。
「ちょ、ルルカ。抑えて、抑えて・・・・・・」
「別に構いませんよ。こっちも、気に入られたいわけじゃないからね」
「まあまあ、二人とも」
険悪な空気のルルカとイルグレイを、間に入ったリリナがなだめる。
「・・・・・・ディステリアたちが聞いたら、どんな顔するだろ」
面白半分、不安半分といった表情で、アウグスが呟いた。
―※*※―
帰還許可を受け、アウグスらとの合流ポイントへ向かうセリュードたちのイェーガーは、サウサリカ上空に差し掛かっていた。そこに突然、通信が入る。
《―――第三小隊、応答願います。緊急事態です!》
切羽詰った通信の声に、コクピットの中が緊張に包まれる。
「こちら、第三小隊。どうした?」
通信機のスイッチを入れたセリュードが、操縦しながら答える。
《サウサリカ大陸に展開していた部隊が、何者かに奇襲を受けています。観測データからして、おそらく敵はデモス・ゼルガンクです》
「それって、俺たち魔界から戻って来た頃から発生していたという、部隊の襲撃事件のことか?」
話に入ってきたクウァルに、《恐らく》と通信の声が答える。
《魔力測定結果はSS級。おそらく、幹部クラスだと思われます。十分に注意してください!》
聞きなれない言葉に、「『魔力測定』・・・・・・だと?」とディステリアが眉をひそめる。
《はい。移動基地同士をつなぐネットワークを介して、レーダーなどから周りに満ちているマナや魔力を測定するシステムです。まだ、未完成なんですけど・・・・・・》
「完成すれば、俺たちだけでなく、基地がある大陸を監察できるって訳だ」
嫌味を言うクウァルに「ちょっと」とセルスが振り向く。
「―――わかりました。すぐに向かいます」
通信を切ると、セリュードは操縦桿を傾けた。
「部隊が襲われる事件は、俺たち世界各地に散らばってからよく起きているよな」
「あれって、外国から派遣部隊に反感を持っている地元住民の仕業とも考えられていたんでしょう?」
クウァルとセルスに、「確かに」とセリュードが答える。
「異邦人を排除しようとするのは、人間のほうが際立っているからな。ミカエルも言っていたな。『天使と悪魔は、互いに相容れない存在だからこそ、互いに排除しようとする』・・・・・・」
腕を組んで黙り込んでいるディステリアを、セルスが心配そうに見る。
「・・・・・・セリュード」
「わかっている。しかし、ディステリアもいつまでも逃げているわけにもいくまい・・・・・・」
ディステリアは黙ったまま席に座っている。今回、セルスは前の席に座っていたが、アナイエとの戦闘から顔色が悪いディステリアを心配して時々、後ろの席を振り向いていた。
「・・・・・・そんなにディステリアのことが心配なら、席を交代するか・・・・・・?」
クウァルの言葉に、「えっ」とセルスが戸惑う。
「どうする、セルス?」
セリュードも聞くが、セルスは「大丈夫」と答えて前を向く。
「今の私の役目は、イェーガーを操縦するセリュードのサポート。自分の役目は、ちゃんと果たさないとね」
しっかりとした目のセルスに見とれるディステリアに、「残念だったな」とクウァルが呟いた。
「・・・・・・?何が、だ?」
一瞬、目を見張ったクウァルが目をそらした。
「セルスが・・・・・・側に来なくて・・・・・・」
すると、ディステリアは「なんだ、そんなことか」と笑った。
「いいんだ。側にいなくても、がんばっている彼女が見られれば・・・・・・それで・・・・・・」
そこまで言った時、ディステリアは柔らかい笑みを浮かべて、セルスを見ていた自分自身に気付いて戸惑った。
「(あれっ?俺、なんで・・・・・・?)」
そう思っていると、「どうしたの?」とセルスが振り返る。
「な・・・・・・なんでもない」
「なんでもないって言うわりには、顔が赤いよ。どうしたの、ディス?」
「本当になんでもない」
首を傾げて覗き込むセルスに、ディステリアが顔を背けて答える。少し顔を上げると、思っている疑問を口にした。
「襲撃者はデモス・ゼルガンクと言ったな。それくらい、あっちでも対処できるはずだが・・・・・・」
「そうだな。ここの小隊も、世界中から集められたつわもの揃いのはずだ。そう簡単にやられるとは思えない」
話しているディステリアとクウァルに、「そういう詮索は後でするとしよう」とセリュードが言う。
「何が起こっているかは、行けばわかる」
セリュードは操縦桿を傾けて、進路を南にあわせる。その先に何が待っているのか、知っている者は誰もいなかった。