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勇者vs魔王vsJK、地球の高校で最強(?)決定戦  作者: ムーンキャット


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第9話 発覚、勇者と魔王

放課後。

教室の一角。

麗奈がノートを広げる。

「じゃあこの問題ね」

神崎凌と山田次郎が向かい合う形で座る。

二次関数の応用問題。

凌は唸る。

(わからん……だが、法則性はある)

数字の並び。

曲線。

軌道。

(待て……この形)

前世で使っていた攻撃魔術の軌道式に似ている。

無意識に、口が動く。

「……エル・グラディウス・フェル」

静まり返る。

麗奈「え?」

梓「は?」

山田次郎の心臓が止まる。

(今、何と言った)

凌はハッとする。

「え、あ、いやその」

だが遅い。

次郎の目が変わる。

さっきまでの陰キャの目ではない。

深い闇。

「……貴様」

低い声。

「今の言葉、どこで知った」

凌の背筋に、ぞくりとした感覚が走る。

(……なんだこの圧)

麗奈「え、なに?二人とも」

凌、笑って誤魔化そうとする。

「なんか口から出た」

次郎、立ち上がる。

「それは古代魔導語だ」

教室の空気が一瞬だけ冷える。

梓が眉をひそめる。

「ちょっと山田、怖い」

だが次郎は凌から目を離さない。

(あの発音……完全だ)

勇者しか使えない、対魔王封印式の起動詠唱。

わずかな一節。

間違いなく。

(やはり貴様……)

凌も負けじと睨み返す。

「なんだよ」

次郎、小さく呟く。

「貴様は……やはり勇者なのか?」

空気が凍る。

麗奈「は?」

梓「ゆ、勇者?」

凌の心臓が跳ねる。

(なんでこの言葉に、こんなに反応してる?)

だが口が勝手に動く。

「……何言ってんだよ」

一瞬の沈黙。

次郎は目を細める。

そして。

「……くだらん冗談だ」

座り直す。

空気が戻る。

麗奈が苦笑する。

「びっくりさせないでよ」

梓も首を傾げる。

「二人とも、今日なんか変だよ?」

だが二人の間だけは違う。

見えない火花。

凌、心の声。

(なんだあいつ……今、本気だった)

次郎、心の声。

(あの響き……忘れるはずがない)

互いに、確信が生まれかけている。

だが証拠がない。

だから踏み込めない。

凌は問題を見ながら、わざと軽く言う。

「じゃあお前もなんか呪文言ってみろよ」

次郎、ふっと笑う。

「良いだろう」

小さく、極小音量で。

「……ゼル=ディアボロス」

凌の瞳が揺れる。

(今の……)

封印戦で何度も聞いた。

魔王専用の闇強化詠唱。

次郎はニヤリとする。

「何か問題でも?」

凌、笑う。

「別に?」

だが内心。

(やっぱりいる)

(やはり生きていたか)

二人はまだ確信していない。

だが魂が知っている。

目の前にいるのは。

――宿敵。

そして梓は、二人の空気を見ながら思う。

(……なんか、面白いことになってきた)

静かな教室。

誰も知らない。

勇者と魔王が、同じ問題集を開いていることを。

戦場は、放課後の教室。

武器は、数式と古代語。

――続く。


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