第41話「最後に笑うのは」
最終競技――クラス対抗リレー。
全校生徒総立ち。
実況も熱い。
『アンカー勝負が鍵です!!』
並ぶ走者。
第一走者。
三バカ代表――横田。
横田「任せろ!」
誰も任せてない。
◆悲劇は一歩目
ピストル音。
バンッ!
横田、全力スタート。
一歩目。
ズルッ。
派手に転倒。
グラウンドにスライディング。
砂煙。
「うわぁぁぁ!?」
観客爆笑。
実況絶叫。
『横田転倒ーーー!!』
完全最下位スタート。
◆麗奈、覚醒
バトンが回る。
差は絶望的。
麗奈、受け取る。
「……やるしかない」
ダッシュ。
フォームが綺麗。
ぐんぐん差を縮める。
観客ざわめく。
勇者「速っ!」
魔王「本気だな」
麗奈、一人抜き。
四位まで浮上。
バトンパス。
魔王へ。
◆魔王の冷静加速
魔王、静かに受け取る。
無駄のない走り。
一定のリズム。
前との差、じわじわ縮まる。
コーナーで一人抜く。
三位。
観客どよめき。
梓「やるねぇ」
魔王、ラスト直線で並ぶ。
同時にバトン。
勇者へ。
◆勇者、全力
「任せろ!!」
全開。
気合い。
叫び。
「うおおおお!!」
観客ヒートアップ。
ついにトップと並ぶ。
残り50m。
抜いた。
二位。
大歓声。
勇者、振り向く。
「行けーーー!!」
アンカー。
梓。
◆黒幕の時間
梓、バトンを受け取る。
にやり。
「美味しいところ、いただきます」
他クラスのエース。
差はわずか。
残り30m。
もう少し
観客悲鳴。
麗奈「ちょっと!!」
勇者「もうちょい!」
魔王「……いや」
梓、最後の一歩で加速。
フォームが変わる。
真顔。
本気。
残り10m。
一気に抜き去る。
ゴール。
テープを切る。
『一位ーーー!!!』
校庭、爆発。
◆勝者
梓、息を整えながら振り返る。
ガッツポーズ。
「計画通り」
麗奈「どこがよ!」
勇者「全部持ってったな!?」
魔王、小さく拍手。
「最後に笑うのは黒幕か」
梓、ウインク。
「演出家ですから」
麗奈、ため息。
でも。
笑っている。
勇者も。
魔王も。
夕焼けの校庭。
最高の体育祭、終了。
こうして。
勇者と魔王とヒロインと黒幕の体育祭は、
伝説になった。




