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勇者vs魔王vsJK、地球の高校で最強(?)決定戦  作者: ムーンキャット


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第4話 「魔王、絡まれる」

――昼休み直前。

山田次郎は、自分の席で静かに窓の外を見ていた。

(……この世界の空は、妙に青いな)

前世で見た空は、常に赤黒く、瘴気が渦巻いていた。

それに比べてこの世界は、平和すぎる。

(だが油断はせぬ。勇者がいる可能性がある以上――)

ガタン。

机が揺れた。

「なぁ転校生」

低い声。

顔を上げると、そこには三人組。

先頭に立つのは、体格のいい男子。

その後ろに、ニヤニヤした男と、妙にイキった雰囲気の男。

「……や、山田……次郎だ……」

自分の名を名乗るだけで、なぜか喉が詰まる。

(なぜ我が、名乗るだけで緊張しておるのだ!?我は魔王ぞ!?)

「ぷっ、声ちっさ」

横田が笑う。

坂田が続ける。

「転校初日で友達ゼロってキツくね?俺らが面倒見てやろうか?」

(面倒を見る……?配下にするという意味か?)

一瞬、魔王の瞳が細くなる。

しかし堺匠海は、無言で次郎を見下ろしていた。

「お前さ、なんかムカつくんだよ」

静かだが、圧のある声。

(ほう……)

魔王の内側で、何かがピクリと動く。

(貴様、我に“ムカつく”だと?)

横田が次郎の机に手をつき、顔を近づける。

「お前さぁ、俺らに敬語使えよ?立場わかってる?」

(立場……?)

魔王の脳裏に、かつての玉座がよぎる。

数万の魔族が跪き、震えていたあの光景。

(立場を語るか、小僧)

一瞬、空気が変わった。

ほんの一瞬だけ。

横田がビクッとする。

「……な、なんだよその目」

次郎はハッとする。

(いかんいかんいかん!!)

ここで力を使えば、この世界の理が崩れる可能性がある。

そもそも今は力が戻っていない。

(我の魔力は、ほぼゼロ……!この身体、あまりにも脆弱!!)

「……す、すみません……」

小さく頭を下げる。

横田、勝ち誇った笑い。

「はは、やっぱ雑魚じゃん」

坂田が笑いながら言う。

「な?堺」

堺は腕を組んだまま。

「……次から気をつけろよ」

そう言い残し、三人は去っていく。

――静寂。

山田次郎は、ゆっくりと顔を上げた。

(……今、我は……謝罪した?)

拳が震える。

(我は魔王ぞ。世界を滅ぼしかけた存在ぞ?)

だが同時に、胸の奥に妙な感情が生まれていた。

(……あの者)

堺匠海。

あの男だけは、ただの雑魚ではない。

(あの圧……人間にしては悪くない)

そしてもう一つ。

(……勇者の気配は、まだない)

だが。

教室の後方で、ひとりこちらを見ている男がいた。

神崎凌。

彼は、無意識に拳を握っていた。

「……なんだあいつら」

読者だけが知っている。

勇者と魔王が、同じ教室で、同じ空気を吸っていることを。

そして今、魔王は静かに決意する。

(良いだろう。この世界の“力”を測ってやる)

その目に、かすかな闇が宿った。

――続く。

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