第38話「赤面爆発」
騎馬戦終了後。
校庭の隅。
勇者、水を飲んで一息。
「いやー熱かったな!」
振り向く。
そこに。
腕組み。
仁王立ち。
麗奈。
顔、まだ赤い。
勇者「……あ」
一歩、近づく。
「ちょっと」
低い声。
勇者、直立。
「は、はい!」
◆照れ怒りMAX
麗奈「なんで」
勇者「え」
麗奈「なんで名前叫ぶのよ!!」
勇者「え、あれはその、勢いで」
麗奈「勢いで!?」
周囲の視線、まだ若干残っている。
麗奈さらに赤くなる。
「みんな見てたんだからね!?」
勇者、ようやく理解。
(あ、やば)
「ご、ごめん!」
麗奈「ごめんじゃない!」
勇者、完全にたじろぐ。
一歩下がる。
「いやでも、応援してくれてるかなって!」
麗奈「してないって言ってない!」
勇者「してるの!?」
麗奈「ちがっ……!」
言葉が絡まる。
勇者、焦る。
「いや!嬉しかった!じゃなくて!嬉しいと嬉しいけど!」
麗奈「何言ってるのよ!」
◆追撃
麗奈、顔真っ赤のまま。
「目立つでしょ、ああいうの!」
勇者「ごめん!」
「恥ずかしいのよ!」
勇者「……え」
一瞬、止まる。
麗奈、自覚してしまう。
(言った)
(恥ずかしいって言った)
勇者、ぽかん。
「……俺のせいで?」
麗奈「当たり前でしょ!!」
勇者、耳まで赤くなる。
「そ、そんなに!?」
麗奈「そんなに!!」
◆逆にたじろぐ勇者
勇者、完全防御モード。
「すみませんでした!!」
頭下げる。
麗奈、びくっとする。
「ちょ、そこまでしろって言ってない!」
勇者「じゃあどうすれば!?」
麗奈「普通でいいのよ!!」
勇者「普通って何!?」
麗奈「普通は普通でしょ!!」
完全にパニック会話。
◆とどめ
麗奈、深呼吸。
少し落ち着く。
でもまだ赤い。
「……でも」
勇者、恐る恐る顔を上げる。
「……勝とうとしてくれたのは、嬉しかった」
勇者、固まる。
「え」
麗奈、視線を逸らす。
「それだけ」
勇者、顔爆発。
「じゃあ叫んでよかった!?」
麗奈「調子に乗るな!!」
勇者「はい!!」
遠くで。
梓、双眼鏡持ってる。
「青春だねぇ」
その隣。
魔王、静かに一言。
「騒がしいな」
だが。
ほんの少しだけ。
口元、緩んでいる。




