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勇者vs魔王vsJK、地球の高校で最強(?)決定戦  作者: ムーンキャット


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36/41

第36話「揺れる心」

100m走の後。

校庭はまだざわついている。

「やばかったよな…」

「勇者戻った瞬間鳥肌立った」

「魔王も止まったの熱すぎ」

三バカ、号泣継続中。

「尊い」

「尊いってこういうこと」

「語彙力消滅」

梓、腕組み。

「やっぱりね」

視線の先。

麗奈。

まだスタンド席に立ったまま。

動けない。

胸の奥が、ざわざわする。

(なんなのよ……)

勇者が笑っていた顔。

魔王が黙って肩を貸した姿。

思い出す。

心臓がうるさい。

(勝つチャンスだったのに)

(なのに戻るとか)

ぎゅっと胸を押さえる。

(ずるい)

目が少し潤む。

梓が隣に座る。

「どうだった?」

麗奈、即答できない。

しばらくして。

「……かっこよかった」

ぽつり。

梓、にやり。

「どっちが?」

麗奈「うるさい」

顔真っ赤。

でも否定しない。

梓、優しく。

「ちゃんと見てた?」

麗奈、小さく頷く。

「うん」

「二人とも、本気だった」

目が少し真剣になる。

(あんな顔、初めて見た)

勇者は真っ直ぐで。

魔王は静かで。

でも同じくらい真剣。

胸が締め付けられる。

(どうしたいの、私)

その時。

放送。

『次は騎馬戦の選手は集合してください』

ざわめき再燃。

三バカ。

「きた」

「本命」

「直接対決」

勇者、タオルで汗を拭きながら立ち上がる。

魔王も静かに移動。

すれ違う瞬間。

勇者「さっきは悪かったな」

魔王「何がだ」

「勝負止めちまった」

魔王、少しだけ笑う。

「誇れ」

勇者、目を細める。

「次は止まらねぇぞ」

「望むところだ」

バチッ。

空気が再び張り詰める。

麗奈、その様子を見る。

胸が高鳴る。

(今度は本気でぶつかるんだ)

怖い。

でも見たい。

梓、隣で呟く。

「ここからだよ」

騎馬戦エリア。

赤組と白組が陣形を組み始める。

勇者は前線。

魔王も前線。

完全にエースポジション。

三バカ実況準備。

「王対王」

「天下分け目」

「校庭が戦場」

麗奈、息を吸う。

(……ちゃんと見る)

拳を握る。

騎馬戦、開始まであと数分。

二人の視線が、遠くから交差する。

言葉はない。

だが伝わる。

――次は、本気。

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