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勇者vs魔王vsJK、地球の高校で最強(?)決定戦  作者: ムーンキャット


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30/41

第30話「策士と魔王」

体育館の熱気の中。

種目開始前のざわめき。

魔王は静かにステージを降りる。

黒オーラ、控えめ。

向かう先は――

二階観覧席。

梓の元へ。

三バカ実況。

「魔王様、動いた!」

「黒幕へ直行!」

「ラスボス対裏ボス!」

梓、柵にもたれて微笑む。

「どうしたの? 魔王くん」

魔王、低く。

「貴様だな」

梓「何が?」

魔王、目を細める。

「この舞台を整えたのは」

数秒の沈黙。

梓、あっさり。

「うん、私」

三バカ「認めたァァ!?」

魔王、こめかみピク。

「なぜだ」

梓、軽く肩をすくめる。

「だって面白いじゃん」

「それに」

視線を真っ直ぐ向ける。

「魔王くん、ずっとモジモジしてたし」

魔王、固まる。

(モジモジ……だと……?)

「我は魔王だ」

「うん、でも恋愛初心者でしょ?」

グサッ。

心に直撃。

三バカ、ヒソヒソ。

「的確」

「致命傷」

「ノーダメ装ってる」

魔王、静かに言い返す。

「余計な干渉だ」

「これは我と勇者の問題」

梓、にこり。

「違うよ」

「麗奈の問題」

一瞬、魔王黙る。

梓、続ける。

「だからちゃんと本気でやらないとダメ」

「中途半端なまま終わらせないための舞台」

魔王、わずかに目を見開く。

梓、少しだけ優しく。

「私ね」

「実は魔王くん推しなんだよ?」

体育館の音が遠のく。

魔王「……は?」

三バカ「えぇぇ!?」

梓、笑う。

「勇者は強いし真っ直ぐだし放っておいても進む」

「でも魔王くんは」

じっと見る。

「自分から踏み出せないでしょ?」

魔王、沈黙。

内心。

(否定……できぬ)

梓、背中を軽く叩く。

「だから舞台、用意してあげた」

「勝ち取りなよ」

魔王、視線を落とす。

(我は魔王)

(だが……)

小さく息を吐く。

「……策士め」

梓、ウインク。

「褒め言葉?」

その時。

実況マイクが響く。

「第一種目準備完了!」

勇者がステージ中央で手を振る。

「魔王! 早く来い!」

魔王、振り向く。

梓、最後に一言。

「ちなみに」

「来月、体育祭あるよね?」

魔王、止まる。

梓、楽しそうに。

「騎馬戦、対抗リレー、二人三脚」

「勇者VS魔王」

「第二章、開催予定かな?」

三バカ、目が輝く。

「やる!」

「絶対やる!」

「体育祭編確定!」

魔王、内心。

(まだ終わらぬのか)

だが。

口元が、ほんの少しだけ上がる。

「……望むところだ」

ステージへ戻る魔王。

黒オーラ、以前より静かで強い。

梓、独り言。

「本気出した魔王くん、見たいからね」

体育館、歓声。

勇者、ニヤリ。

魔王、真正面に立つ。

麗奈、ため息。

「もう……」

でも少しだけ、笑っている。

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