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勇者vs魔王vsJK、地球の高校で最強(?)決定戦  作者: ムーンキャット


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22/41

第22話 「自覚させ屋」

放課後。

校舎裏ベンチ。

山田次郎、一人。

参考書を開いている。

だがページは進んでいない。

(93点)

(ふ!勇者を超えた)

本来なら歓喜。

だが。

脳内再生。

“無理しないでね”

“ありがとう”

“面白いよね”

ペンが止まる。

「……精神攻撃だ」

「何が?」

声。

御手洗梓。

いつの間にか隣。

次郎、警戒。

「勇者の差し金か」

「違う違う」

梓、にやり。

「今日は魔王いじりの日」

「帰れ」

梓は無視して言う。

「麗奈のどこが好き?」

空気停止。

次郎、真顔。

「意味が分からん」

「好きでしょ?」

「違う」

即答。

梓、身を乗り出す。

「じゃあさ」

「三バカが麗奈いじったら?」

「……排除だ」

「即答」

「当然だ」

梓、追撃。

「勇者が麗奈と二人で勉強してたら?」

沈黙。

一瞬。

ほんの一瞬。

眉が動く。

梓、見逃さない。

「今嫌だったでしょ」

「ち、違う」

「顔に出てた」

「出ていない」

梓、さらに刺す。

「麗奈が他の男子に告白されたら?」

ドクン。

心拍が跳ねる。

イメージ。

麗奈が知らない男に笑う。

胸の奥が熱くなる。

黒い何かが湧く。

「……」

無言。

梓、静かに言う。

「それ、嫉妬」

次郎、立ち上がる。

「違う!!」

声が大きい。

近くの鳥が飛び立つ。

梓、笑わない。

真面目な目。

「魔王」

「……」

「それ恋だよ」

沈黙。

風が吹く。

次郎、拳を握る。

「我は魔王だ」

「恋などと」

「ありえぬ」

梓、小さく笑う。

「じゃあ弱くなったね」

静かな一撃。

次郎、言葉を失う。

梓、続ける。

「でもさ」

「守りたいって思うの、悪いこと?」

沈黙。

胸の奥。

確かにある。

あの夕方。

湿布。

真顔で怒る麗奈。

(守りたい)

それは本能に近い。

次郎、小さく呟く。

「……我は」

その瞬間。

遠くから声。

「山田くーん!」

麗奈。

笑顔で手を振っている。

次郎、硬直。

心拍数上昇。

「麗奈かわいいよねぇ」

梓、小声で。

「はい、恋」

次郎「黙れ」

麗奈、近づいてくる。

「探したよ?」

「……何だ」

「明日さ、一緒に図書室行かない?」

一瞬。

時間が止まる。

梓、心の中で拍手。

次郎、平静を装う。

「……用件は」

「勉強」

少し照れ笑い。

「二人きりは緊張するからさ」

次郎の心臓が暴走。

(緊張……?)

(我と……?)

梓、耐えられない。

「頑張れ魔王」

小声。

次郎、深呼吸。

「……問題ない」

麗奈、嬉しそうに笑う。

「よかった!」

去っていく背中。

沈黙。

梓、横目で見る。

「どう?」

次郎、空を見る。

「……」

数秒。

そして。

小さく。

本当に小さく。

「……厄介だ」

梓、ニヤァ。

「自覚した?」

「していない」

だが耳は赤い。

魔王。

ついに。

自覚寸前。

――続く。

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