第21話 「麗奈先生の特別補習」
放課後。
空き教室。
黒板の前に立つのは――
藤沢麗奈。
「今日は特別補習です」
机に向かい合う二人。
神崎凌。
山田次郎。
間に火花。
梓は後ろの席で見学。
(最高の見世物)
麗奈、腕を組む。
「この前のテスト、正直どっちもどっち」
魔王と勇者、同時に反応。
「40点だが?」
「39点だ」
麗奈、ため息。
「満点は100点」
沈黙。
梓、吹き出す。
「というわけで」
麗奈、プリントを配る。
「今日は英語+数学ミックス小テスト」
凌、静かに笑う。
(本気でいく)
次郎、目を細める。
(勇者を圧倒する)
麗奈「私が採点します」
梓「先生可愛い」
「梓うるさい」
テスト開始。
カリカリカリ。
空気が変わる。
凌のペンが速い。
迷いがない。
次郎も静かに追う。
額に汗。
(負けぬ)
麗奈、二人を交互に見る。
(なんでこんな真剣なの)
途中。
次郎が止まる。
数学の応用問題。
凌はすでに解き終えている。
チラリと目が合う。
無言の挑発。
次郎、拳を握る。
(魔王は知略でも負けぬ)
ペンが走る。
時間終了。
麗奈、採点。
沈黙。
梓、ドキドキしてないのにドキドキしてる。
麗奈、発表。
「神崎くん」
「……」
「92点」
梓「おお」
凌、静かに息を吐く。
次。
麗奈、山田を見る。
一瞬、間。
「山田くん」
「……」
「93点」
静寂。
凌、固まる。
梓、立ち上がる。
「また1点差!?」
麗奈もびっくり。
「え、何この二人」
山田、ゆっくり立ち上がる。
静かに。
そして。
小さく笑う。
「ふ……」
凌、警戒。
「ふははははは!!」
麗奈「やめて!」
魔王、高らかに宣言。
「見たか勇者!!」
「知略でも我の勝ちだ!!」
梓、机叩いて爆笑。
凌、静かに立ち上がる。
「魔王」
「何だ」
「次は本気で潰す」
目がマジ。
空気がピリッとする。
麗奈、慌てる。
「ちょ、ちょっと!」
「勉強で争わないで!?」
二人、同時に言う。
「こいつが悪い」
「こいつが悪い」
またハモる。
梓、涙目。
「仲良しか」
麗奈、呆れ笑い。
「もう二人で勝手にやって」
夕日が差し込む教室。
魔王と勇者。
1点の戦いは続く。
だが今回。
凌の目が少し変わっている。
(本気でやる)
魔王も気付く。
(来い、勇者)
静かな覚醒。
ラブコメの裏で、知略バトルが本格化する。
――続く。




