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勇者vs魔王vsJK、地球の高校で最強(?)決定戦  作者: ムーンキャット


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第11話 「魔王の初恋?」

放課後。

夕焼けの帰り道。

神崎凌、藤沢麗奈、山田次郎の三人が並んで歩いている。

ぎこちない。

妙に距離が近い。

「なんか新鮮だね、こういうの」

麗奈が笑う。

凌は少し照れくさそうに頭をかく。

次郎は一歩後ろ。

(なぜ我が、このような“平和的行軍”に参加しておるのだ)

麗奈が振り返る。

「山田くん、もっとこっち来なよ」

笑顔。

夕陽が反射する。

一瞬、時間が止まる。

(……)

(……何だこれは)

胸の奥が、ざわつく。

戦場で感じた殺気ではない。

恐怖でもない。

魔力の共鳴でもない。

(鼓動が速い?)

いや違う。

(身体が未熟なだけだ。この器が軟弱なだけだ)

凌が横から口を挟む。

「山田、顔赤くね?」

「赤くない!」

即答。

麗奈、くすっと笑う。

「山田くんって、意外と可愛いとこあるよね」

その瞬間。

魔王の思考が停止する。

(……可愛い?)

(我が?)

(魔界を震撼させた覇王が?)

心の中で全力否定が始まる。

(違う。これは違う)

(ただの人間の評価だ)

(気にする理由はない)

(胸が締め付けられるのは、この身体の欠陥だ)

(決して――)

麗奈が隣に並ぶ。

距離が近い。

自然に、腕が触れそうになる。

魔王、内心絶叫。

(近い近い近い!!)

凌が面白そうに見る。

「お前ほんと分かりやすいな」

「何がだ」

「いや別に」

麗奈は何も気づかず話を続ける。

「山田くん、最初怖かったけど、今はそんなことないよ」

トドメ。

魔王の心に直撃。

(怖くない……だと)

魔族ですら恐れた存在。

だが彼女は言う。

怖くない、と。

(……何故だ)

(我は恐怖の象徴だぞ)

胸が、じんわり温かい。

(……これは違う)

(忠誠でもない)

(崇拝でもない)

(支配欲でもない)

沈黙。

そして、最悪の結論に近づきかける。

(まさか――)

即座に遮断。

(断じて違う!!)

(これは恋などではない!!)

(魔王が人間の娘に心を奪われるなど、歴史が許さん!!)

凌がニヤニヤする。

「山田、好きなの?」

「違う!!!!」

思わず大声。

通行人が振り向く。

麗奈、びっくり。

「え?なに?」

次郎、真っ赤。

「何でもない!」

凌、腹抱えて笑う。

「図星じゃん」

(勇者……貴様ぁ……!)

だが心の奥で、別の声が囁く。

(守りたい)

一瞬だけ。

はっきりと。

(……)

(……これは保護対象だ)

(そうだ)

(勇者から守るためだ)

(決して個人的感情ではない)

必死に理屈を積み上げる魔王。

その横で、麗奈は無邪気に笑っている。

夕焼けの中。

勇者はちょっと面白がり。

魔王は全力否定。

だが胸の鼓動だけは、誤魔化せない。

そして梓は少し後ろから三人を見ている。

「へぇ……そっちね」

物語は、少しだけ甘くなった。

だが。

宿命は消えない。

――続く。

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