表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/21

南方への旅路

 遺跡での戦いから数日後、リオンたちは南方の塔へ向け、馬車で旅を続けていた。

 草原が広がり、風が頬を撫でる。だが、陽光に照らされた景色とは裏腹に、四人の心は常に緊張していた。


 「なんか……平和すぎて逆に不安だな」ガルドが背もたれに寄りかかり、ぼやく。

 「ふふ、あんたらしいわね」セリアは軽く笑いながら、地図を広げる。

 「塔まではまだ二日か……山越えもあるし、油断できない」

 ミラは馬車の手綱を握り、目を鋭くして前方を見据える。

 「でも、こんな道なら気を抜くのも悪くないわね。みんなと一緒だし」


 ◇


 途中、森を抜けると小さな村に差し掛かった。

 子供たちが元気に走り回り、農夫たちが作業に汗を流している。

 「平和……だな」リオンは思わず声を漏らす。


 しかし、村の中央にある井戸の周りで、小さな騒ぎが起きていた。

 「井戸に魔獣の痕跡……?」ミラが眉をひそめる。

 子供たちが恐怖で泣きじゃくり、村人たちも困惑している。


 「よし、俺たちで確認するぞ」ガルドが馬車を降り、仲間たちも続いた。


 ◇


 井戸を覗くと、影に侵されかけた小型の魔獣がうずくまっていた。

 「弱ってる……でも、放っておけない」セリアが杖を掲げる。

 リオンは光をまとわせ、魔獣に向かって一閃した。

 魔獣は光に焼かれ、逃げ惑うが、リオンは攻撃を抑えつつ、倒すのではなく弱体化させることに成功した。


 「これで……村も安心だな」ガルドが笑みを浮かべ、子供たちも安心して駆け寄る。

 セリアはリオンの肩に手を置き、ささやくように言った。

 「光の力は、戦うだけじゃなく、守ることにも使えるのね」

 リオンは少し照れたように頷いた。


 ◇


 再び馬車に戻ると、夕陽が草原を赤く染めていた。

 「塔まではもうすぐだ。準備はいいか?」ガルドが声を上げる。

 「ええ、でも……ここから先は危険度が上がるはず」セリアが慎重に答える。

 「楽しみでもあるけどね」ミラがにやりと笑う。

 リオンはペンダントを握りしめ、決意を胸に刻む。

 (影の組織も、封印の鍵も……全部、俺たちで止めてみせる)


 南方の塔へ向かう道は、彼らの試練をさらに深めることになる。

 そして、旅路の途中で待ち受ける新たな出会いと困難が、三人――いや、四人の絆をより一層強固にしていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ