表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/21

ギルドの試練

 王都の冒険者ギルドは、旅の村々で見てきた小さな施設とは比べものにならないほどの規模だった。

 大広間には鎧に身を包んだ戦士、ローブ姿の魔術師、軽装の盗賊風の者たちがひしめき合い、酒場のように賑わっている。

 「すごい……これが王都のギルドなんだ」リオンは目を丸くした。

 セリアは少し緊張した面持ちで周囲を見回す。「なんだか、視線を感じるわ……」

 「田舎者だってバレてるんだろうな」ガルドが苦笑しながらカウンターへと向かった。


 ◇


 受付にいたのは若い女性職員だった。

 「新規登録ですね? それでは簡単な身分確認と、試験を受けていただきます」

 「試験?」リオンが首を傾げる。

 「はい。依頼を任せられる実力があるかを確かめるためです。王都では特に厳しいんですよ」

 差し出された書類に名前を書き、三人は試験会場へと案内された。


 そこは石造りの広間で、模擬戦用の訓練場だった。

 「受験者は三名か」待ち構えていたのは、筋骨隆々とした壮年の冒険者だった。

 「俺が試験官のダグラスだ。ルールは単純、俺と交戦し、一撃でも有効打を与えられれば合格とする」


 ◇


 最初に前に出たのはガルドだ。斧を構え、一気に間合いを詰める。

 「おお、勢いは悪くない!」ダグラスは大剣でその攻撃を受け止め、豪快に弾き返した。

 衝撃で足を滑らせそうになるガルド。しかし踏みとどまり、何度も斬りかかる。

 「ガルド、頑張って!」リオンとセリアが声を張り上げる。


 数合打ち合った後、ガルドの一撃がダグラスの肩をかすめた。

 「よし、一撃あり! 合格だ」

 「ふぅ……なんとかやったぜ」汗を拭うガルドの表情には満足げな笑みが浮かんでいた。


 ◇


 続いてセリアが前に出る。

 彼女は炎の矢を放ち、巧みに動きながら攻撃を仕掛ける。しかしダグラスは軽やかに回避し、逆に間合いを詰めてくる。

 「速い……!」

 瞬間、セリアは地面に魔法陣を描き、火柱を噴き上げた。

 熱風に包まれたダグラスが思わず身を引き、外套の裾が焦げる。

 「はは、いい腕だ! 合格!」


 ◇


 最後にリオンが前に出る。

 ペンダントを握りしめ、深呼吸。

 (俺だって……できるはずだ)

 光の魔力を練り上げ、前方へと放つ。


 ダグラスは大剣で受け止めようとしたが、光弾は弾かれず、そのまま彼の足元に炸裂した。

 「おおっ!」地面が揺れ、ダグラスがよろめく。

 「……今のはなかなか効いたぞ。合格だ!」


 ◇


 三人が全員合格を告げられると、広間の観客から小さな歓声が上がった。

 「これで正式に冒険者登録ね」セリアがほっと胸をなで下ろす。

 「よし、酒でも……」とガルドが言いかけたときだった。


 「面白い新人が来たじゃないか」

 背後から声をかけてきたのは、二本の短剣を腰に下げた赤髪の少女だった。

 年齢はリオンたちと同じくらいだろう。快活な笑みを浮かべながら、彼らをじっと見つめている。

 「私はミラ。君たち、これから依頼を受けるんでしょ? 一緒に行かない?」


 リオンたちは思わず顔を見合わせた。

 ――新たな仲間候補との出会い。それが、この後の運命を大きく変えることになるとは、まだ誰も知らなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ