山道の遭遇
北へ続く山道。薄霧が立ち込め、冷たい風が三人の頬を打つ。
ガルドは前方を警戒しつつ、大剣を肩に担いで歩く。
「坊主、魔法は無理せず、でもちゃんと援護しろよ」
「わかってる」リオンは剣を握り、背後で巻物を抱えたセリアと視線を合わせる。
◇
道が狭くなると、森の中から不気味な音が響いた。
「カサッ……カサッ……」
木の葉がざわめき、何かが三人を見つめている。
突然、黒い影が一気に飛び出した。
鎧を身に着け、赤い瞳を持つ魔物――影の使徒だ。
「襲ってきたか……!」ガルドが叫び、斧を振り上げた。
「リオン、前に出すな! 私が援護する」セリアが杖を構え、魔力の光弾を放つ。
光弾が影の使徒の鎧を削るが、反撃の爪がセリアに迫る。
「危ない!」リオンは間に飛び込み、手から青白い盾の光を生み出した。
爪は光に弾かれ、セリアは無事だった。
「これが……俺の力か」息を切らしながらリオンは呟く。
「すごいわ! リオン、あなたなしじゃやっぱり無理だった」セリアの声が弾んだ。
◇
影の使徒は次々に襲いかかる。
しかし、三人の連携は前回より格段に進歩していた。
ガルドが前衛で敵の攻撃を受け止め、リオンが防御魔法で仲間を守り、セリアが後方から魔法で援護する。
「これなら……いける!」リオンは心の中で叫んだ。
一撃、また一撃と影の使徒を倒し、最後の一体をガルドが斧で断ち切る。
「ふう……さすがに疲れたな」
「でも、やっぱり勝てた……!」セリアが笑顔を見せる。
◇
戦いが終わったあと、三人は山道の隅で休む。
リオンは息を整え、背中のペンダントを握りしめる。
(これから先も、もっと強くならなきゃ……)
セリアがそっと隣に座る。
「リオン、無理はしないでね」
「大丈夫、でも……守りたいんだ」
その言葉に、セリアは少し赤くなり、微笑んだ。
ガルドが立ち上がり、遠くの山の稜線を見つめる。
「さて、次の目的地まではまだ距離がある。油断せずに行くぞ」
――三人の旅は、少しずつ絆を深めながら、影の脅威と共に進んでいくのだった。




