たくあん❸
サクッとキャラ紹介!
海中=もくず
身長 175cm 好きな物 タバコ
趣味 無い 好きな人 お姉ちゃん
(大好きです。結構ガチめに大好きです)
「入っていい?」
ノックしても返事が返って来なかったので扉を開け中を覗く。必要最低限な下着だけを履いた姉がちゃぶ台にあぐらをかいて座っていた
「うん、終わったよ。ごめんね雨の中外でまたせちゃって。昼までなの教えててくれたら今日はしなかったのに」
「学年だより無くしたからわかんなかった」
姉に向かいこちらもあぐらをかく。鼻腔の底でほのかに男女の匂いを感じるが、そんなこと姉に言えるわけがない。というか慣れてしまってもう何も感じない
「てかいきなりの雨だったね。濡れてない?」
「クラス人の家行ってたから大丈夫」
「えっ!友達出来たの?」
興奮気味目をキラキラ輝かせもくずを見るも「いや…」と返され眉が下がるが、咄嗟に「うんん。友達。今日できた」そう返すと分かりやすく眉が上がりきった
「なんて名前?」
「えーっと…確か…力哉だったかな」
「えっ?男の子!」
こくりと軽く頷くと大興奮でもくずの肩に手をかける
「すごいじゃん!!今夜は赤飯だね!」
「ただの友達だから、てかそんなお金無いでしょ」
「確かにお金厳しいけどもくずの恋となればシフトの2、3個余裕で入れるよ!」
(すぐ調子上がるとことか人のために何するところ、お母さんそっくり…)
姉の興奮はすぐに上がり、すぐ収まるということを長年の経験から熟知しているので何も言わず、もくずは今日配られたワークに手をつけた
「はい、ではそれまでです。筆記用具を止めてください。止めなければ反則にしますよ」
そんなこと知っているので最後の一言は無くていいと思うが言ってしまうのがこの担任だ。テストを配る時も手こずりチャイムがなった後少し過ぎたのも担任のせいである。しかも時間の延長などはせずチャイム同時にやめをかけるのだから堪ったもんじゃ無い。
「力ーご飯食べよー」
「今日ご飯の時間ないよ。もう下校だし」
「へっ?」
今日3教科、明日2教科で行われる学力試験はが2日に分けて行われる。集中力を切らせず素の実力を見るため度と思うがその事は学年だよりに載っていない。始業式の時言っていたが、どうやら瞳は聞いてなかったようだ。俺も寝てたが運良くそこは聞いていたのでヘマすることは無かった
「あー最悪。残りの教科の為に好きな物いっぱい詰めてきたのに」
たこさんウィンナーに卵焼き、ハンバーグと子供舌な瞳が好きそうなものばかりを詰めた弁当を見つめながら嘆く。箸を取り出そうとしているので時間が無かろうが食べるようだ
「私この後すぐ塾だから時間無くて。力にもなんかあげるからさ、ちょっと居てよ」
「あーん」とたこさんウィンナー…の形の崩れているやつを俺の口に持ってくる。形の良いものをあげる気は無いらしい。貰う身なのでありがたく食べた。
「よし。食ったから居ろよ。あとは私のだから」
しまった…。既に既成事実を作られた力哉は何も言い返せず、ただ瞳が美味しそうに口に運んでいくのを見つめるしか無い。そういえば、瞳は口付けを気にしない。逆に力哉が気にするのかと言われれば確かに気にしてないが一応高校生の男女がこういうのはちょっとアレなのでは。そう思ったが今思えば瞳とは物心より前からの仲なので瞳にとったらただの幼なじみいうより弟のようにでも思っているのだろう。
ほとんどの人が帰っていった教室。ぼんやりと高二になったことを噛み締めていると視界の端にまだ誰か残っているのが見えた
「あっ、もくずさん」
クラスの1番左端。背の高い銀髪の彼女もまたなぜか瞳と同じく広げた弁当に合掌していた
「良かったら一緒に食べますか?」
ただ何も言わず彼女はじーっと俺を見る。
「大丈夫」
客観的に感じる瞳とのイチャイチャに居心地が悪かったのかそれとも単に俺か。食べようとしていた弁当を風呂敷で颯爽と包むとその長い足で部屋を出ようとした……が、途中で立ち止まる。一瞬何か思い出したような顔をすると近づき俺の机に椅子を寄せた
「やっぱり一緒に食べていい?」
「いいよー」
ブロッコリーをかみ終えたばかりの瞳が言う
「名前なんて言うの?」
「水田瞳!みんなからはみーたんって呼ばれてるのからみーたんでいいよ。確か海中…もずくさんだよね?」
「もくずさんだよ」
「もずく」から「もくず」と間違いを正させるのがなんだか嫌な気がしてすかさず訂正すると彼女は「そうです」とあいさつするかの如くヒョコリ頭を下げた
「もくずさんも集会寝てたの?」
「起きてたけどこの後用事あってご飯食べとかないといけないから」
改めて蓋を開けた弁当は色とりどりの瞳のとは違い極めて質素だ。大きめのおにぎり2つに漬物が少々とまるで修行僧みたいである。それを瞳も感じたのか、1番大きく形の整ったたこさんウィンナーを箸で掴み
「良かったらもくずさん交換しない?」
「いいけど…私、おにぎり?」
「違うよー笑。そのたくあんと交換しよ」
もすぐさんのたくあんは1時間の練り消し程度の大きさしかなく形も不格好。色は薄いし変な匂いもするので瞳のウィンナーに釣り合っているとは思えない。けれど瞳は微笑みながらそう提案した
「嬉しいけど、このたくあんおいしくないよ」
「関係ないよ!みんなで食べればそれでもう美味しいんだよ!」
交換を済ませ早速とたくあんを口に運ぶと、瞳は固まった
「…不味かった?」
もくずさんは申し訳なさそうに聞いてくる
「ふふん。へんへんほいひひよ。りひひもあへてほほひ」
口の中にものがある状態、というより、一生懸命噛んで飲み込もうと喋っているので聞き取りづらい。
顔から推測するに味はそこまでらしい…
「良かったら食べる?」
「あ、…はい。ありがとう…ごさいます…」
ささくれた割り箸でたくあんを掴み弁当箱にのせる。嗅覚が危険を察知すると喉から手を入れられたかのような嗚咽が吹き出しそうになった
だが、断る訳にも行かない。嗅覚を殺すように、意識しないで口に運ぶと他の4感が敏感になったようで、舌はいやらしくもそれを精密に確かめた。あまりに柔らかすぎるたくあんは中でべっちょり、噛めばグチョりと音を上げる。口の中から靡く風はまさに三角コーナーとしか言い表せない。これ以上舌の上に乗せれそうもなく、力任せに飲み込んだ。まだ口の中には生臭いヘドロ臭が漂う
「この漬物お店の廃棄のだから…不味くて…」
目を下げ悲しそうに言うので心が締め付けられてしまい思わず俺は嘘をつく
「いえ。美味、しい…っう゛ぇ………うん。…美味しいです」
口を動かしたので胃の中ヘドロが込み上げそうになったが何とか言い切る。きっと、いや確実に俺の演技はバレていただろうが、もくずさんは何やら嬉しそうに下げていた目を上げた
「ありがとう。良かったら…もう1個?」
「いやそれは大丈夫です」
早口で断ると、もくずさんはその冷たい頬をあげ笑った
もくずさん大好きやぞー




