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海中もくず  作者: 椎名 園学


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海中もくずはつめたい

純愛ラノベが書きたくて‼

コメント、高評価を頂ければ大変嬉しいです。

この物語では未成年による喫煙、飲酒などなど数々の犯罪行為が出てきますので苦手な人は閲覧をご遠慮ください。またそれらの犯罪行為を勧めるものでは一切ありません。法律に遵守してください

毎日21時に投稿です。同じ時間に戦い系の小説「妖少女あずき」も投稿していくのでよろしければそちらも見てください

どこの世界にも美女という者はいる

大概の場合は相対的な美、学校や職場など枠が変わるとパンピーに戻ってしまう美女だ。だがごく一部絶対的な美女がいる。場所が変わろうと愛され続け世界の全てを享受する。競争相手は世界なのだし冷静になれば好きになるべきでは無いがやはり本能には抗えず、皆好きになってしまう。俺もそんな美女に惚れていれば健全な、つまらない恋を味わえただろ


生まれた時から何一つ不自由ない家庭だった。他の家庭より愛を受け、お金を貰い、ぼーっと生きているだけで幸せを享受出来ていた。けれどその生活は100分の50、黒か白か聞かれているのにグレーと答えることしか出来ないような中途半端な生活だった。

漠然とした感覚と最低限の義務教育を持ったまま小中学校が終わり、何を思ったのか俺は高校で他県の私立に専願し全ての関係をゼロにして100を目指そうと思ってしまった。ある偉大な文豪の言葉を借りれば「ぼんやりとした不安」を持っていたのだと思う。もちろん親バカな二人は猛反対だったが思春期人はブレーキを知らないので聞く耳を持たずただただ突っ走ってった。

そして新たな舞台、石川の高校にやってきた


高校2年生となった現在⋯⋯状況は何も変わっておらず、むしろ悪化した。友達は出来たが金魚すくいのポイのような薄い関係。ちょっとのだら話に水をさしてしまったら、穴が空いてしまうようなのが数人出来ただけだった


去年と同じ学年主任が教壇に立ち、去年と同じようなセリフで演説めいたことを話し出す。始まって数十分は面白くて聞いていたものの、昨日の夜更かしが効いてかだんだん眠気が襲ってきた。ぽっくりぽっくりと頭を揺らし始めると

「…ねぇ…」

細い声が聞こえた気がした。ぱちぱち目を開け前を見て見ても、誰もこっちを向いている人はいない、睡眠不足で気持ちが悪いので無視して強く目を閉じる。

そして背中を蹴られた。突然の事に体がビクンと跳ね「へぇ!」と高い声が周りの注目を呼んでしまい、今度は周りのみながこっちを見ている。自分では無いですよと、しらこく下を見ていると周りも眠いのか静かになった。

「…なんですか?」

急な起床に心臓がビートアップしているまま後ろを振り向くと、冷たい顔でこちらを睨む女がいた。

「倒れてきたから起こそうとしたけど、駄目そうだったから蹴った」

「蹴った」にしてはサッカー部にノリで蹴られた時くらい痛かったんだけど…

そう言えば良かったものの口から出たのは「すいません」の一言だった。

その後のことは覚えていない…と言うより寝ていたので知らないが、あれから蹴られていないので多分後ろに倒れず上手いこと寝れたんだろう


「ほんでこのクラスの担任になりました。四月一日(わたぬき)です。音楽の担任をしていますので、まぁ吹奏楽部以外の皆さんは私に話に来る機会なんてないと思いますけど、何か困ったことでもありましたら構わず来てください。はい、えーこれでホームルームを終わります。えーと明日は学力を測る校内模試なるものがあるんで風邪をひいてもできるだけ来るようお願いします。はい、えーこれで終わります。気をつけ。礼。ありがとうございました」

どこのか知らない強い訛りのこもった言葉と共に皆起立して頭を下げる。高齢の先生だったこともあり慣れているのか先生すぐにその場を後にする。完全に視界から消えてなくなると、いつ作ったのか、何故かすでに出来ている友達達が話し始めクラスはどっと賑やかになった。その中で力哉は口を開かずただ帰りの荷物をまとめる。配られた冊子をそっとカバンに入れる

「ねぇねぇ君、かっこいいね。なんて名前?」

呼ばれて隣を向くと、どこか見覚えのある女が話しかけていた

「え、瞳?」

彼女はやっと気づいたかと言わんばかり「おせーよ」と呆れ顔で言った

水田瞳(みずたひとみ)。幼少期からの幼なじみで振り返る思い出の中にはいつもこいつがいた。校則違反ギリギリの長い髪に若干のメイクも見えるが、愛嬌ある顔立ちや元気な雰囲気など中学校の彼女とそこまで変わっていなかった

「え、瞳もこの高校だったのか?公立行く行ってなかったっけ?」

「言わすな。落ちたんや」

「あーね。確かにね」

「死ね」と言わんばかりの顔で中指を立てられる。負けじとこちらも立て返しじっと見つめると互いに笑った。瞳は顔面偏差値70を超えていそうな容姿端麗だが、このように所作がアホでガキくさく、全く恋愛対象には入らない。おかげで楽に本心を語れ、ここまで仲良くなったのもあるのだが。

まさか同じ高校とは今の今まで知らなかった

「てか知っとる?相澤付き合っとるらしいよ」

「え、あいつが?」

「そうねん。しかも彼女さんめっちゃ美人らしい」

相澤と言えば俺と同じかそれ以下のモテ度だったのに、恨めしい。

俺はまだ一度も付き合ったことがないと言うのに抜けがけとは酷いやつ人だ


「じゃあまた明日」

「おう!」

男のような返事だなと思ったが、言えばボコボコにされそうなので喉の奥に抑えつつ、教室を出た。

うちの学校は1階が中学校、2から7階が高校、と登校時デフォルトで階段を上る必要がある。言い換えれば帰る時は階段を降りることになるので楽で嬉しいのだが。この階段は雨になると非常に滑りやすく俺の知り合いが2、3人、力哉は3回程、上から下まで転がり落ちたことがあるため意識して降りていく。

季節を思わせるような桃色の桜が舞い散るのを視界に収めつつ階段を降りきった


この高校はスポーツが売りで力哉のように他県からの人は意外と沢山いる。そのおかげで最近寮が作られたのだが、そこは運動部の人限定となっていて結局、力哉のように帰宅部の人はは普通にアパートを借りるしか無かった。金沢へ向かう人、駅に向かう人を見ながら1人誰も居ないアパートの方へ進んで行く。

新学期1日目ということで教科書のチェックをすると学校から言われ、去年の冬にわざわざ持ち帰った教科書一覧をまた持ってくる羽目になった。教科書と言えど全て持ってくるとなると背中が重くて仕方がない。アパートから残り5分程度のところまで足を運んだが季節外れの若干の暑さにやられ小さな路地に腰を下ろした。日の当たらないベンチで体感温度がほんのり下がったのを感じながら適当に薄いドリルを掴み風を扇いでいると、どこからかタバコの匂いが漂ってきた

「けほっけほ」

煙が喉の奥に入り咳き込んでしまう。軽く喉を直しながら発煙源はどこかと辺りを見渡すと女が一人歩道橋に座りタバコを吸っていた。座っているので分かりずらいが身長は俺とあまり変わらないくらい高く、体は陸上選手のようにスラリとし、後ろ髪が短めの銀髪ウルフカットがとても可愛いがその中にある整った顔立ちの目は死んでる。集会で俺を蹴った女だった

「あ、あの…」

何を言うべきか分からなかったが自然と言葉が出てしまった。未成年なのに吸っていることを注意するべきか、それとも同じクラスなので自己紹介をしておくか、ぐるぐる回る案を反芻したあと

「タバコって美味しいんですか?」

いらん事を聞いてしまった。うちの学校は校則が厳しいことで有名でタバコなんか吸っていたら確実に退学は免れない。それなのに吸っている人にそんなことを聞いて何になるのか。彼女はもう1吸いし、グリグリ地面に擦り吸い殻を手に持ったあと

「あげないよ」

それだけ言って立ち上がった。

「もくず」か「もずく」でめっちゃ悩んだ

ストックが80話あるので約3か月は毎日投稿できます。


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