希望
悠亜はフェンリルの案内の元、大昔にある人が造ったとされる書庫へ入る
ここに悠亜が知りたいであろう真実…それは一体何なのか。
書庫と言うだけあり入ると本棚があり本がビッシリと並ばられていた
しかし悠亜はこの世界に来たばかりなので文字が読めなかった。
{そういう時の解析ですよ?}
なるほどと思いつつ悠亜は解析スキルを使った
すると自分の読める文字がズラっと並ぶ、文字が多すぎて目が痛い程だがそこに一つだけ悠亜の目を輝かせたタイトルがあった。
[新たなる解析者へ]
新たなる解析者……それはまさにその職業の者へ宛てたようなタイトルだった。
その本をすぐ手に取り開く、もちろんこの世界の文字は読めないが解析して文字を変換させる。
そこに書かれていた事は悠亜の解析者としての希望だった。
[新たなる解析者
この本は職業解析者の在り方を記したものだ
解析者という職業は、物を解析しそれを理解する職業だ
私は元々研究者という立場、このスキルは私にあっていた]
やっぱりそうなんだな、それだけしかできないのか
悠亜はガッカリし諦め半分続きに目を通した。
そして驚く、この本を記した人物がした事に
[しかし物の解析など同じ事の繰り返しに私は少なからず嫌気がさした
なにせ補助スキルなど無くこの1つだけなのだからな
しかし私は思った、他に出来る事は無いのかと……
そこで思い立ったのが―――――――他者の職業の解析だった]
「!?
他者の職業の解析だって!」
[私は試しに同僚の鑑定士を解析した
すると今までの解析とは違う事に気づいた]
「今までの解析とは違う?」
[なんと頭に声が響いた、はじめは誰かの念話かとも思った
しかしそれは解析者である私だけが聞ける声だったのだ
そしてその声はこう言った]
{職業 鑑定士を解析します}
{職業 鑑定士の解析完了、鑑定スキルを取得}
「鑑定士のスキルを取得!?」
[そう、鑑定士のスキルを手に入れていた
更に鑑定スキルのレベルも存在して…だ]
という事は鑑定スキルのレベルを上げられ成長させられるということだ
ここまで読んだ悠亜は半信半疑ではあるものの気持ちが昂っていた。
[そしてもう1つ驚く事があった
それは称号に変化があったことだ]
「称号に変化?」
称号はその時の出来事が付く、今の悠亜は[召喚されし者][ハズレ職][落ちた者]と称号が付いていた。
[その称号とは――――]
〘真なる解析者〙
それを見た悠亜は背筋がゾワッとし嬉々としていた
次の文を見るまでは。
[だが、それを知った王族は脅威と見なし解析者を1人残らず処刑したのだ]
「んな……!?」
[私はなんとか逃げ出しこの底無し崖へ飛び込んだ
取得したスキルのおかげで死なずにすみここを隠れ家として造り身を隠していた]
[恐らくこの先、解析者が現れても私のような考えを持つ同士は現れんだろう
ならばここに記し残す
そして今この本を読んだ同士よ――――――]
この先は滲んで読めなくなってた
しかしこれで悠亜にも希望が持てたという事だ。
そう思うと悠亜は泣いていた。
ついに解析者の真実が明かされた
次回もお楽しみに!