助かった先に
ここから悠亜の一人称が変わります
ここはどこだ………俺はどうなった………。
死んだのか………なにやら………背中が暖かい…………。
……………俺は…………。
「……………はっ!?」
気がついた悠亜
そこはなんとも明るく広い、草木が生えている場所だった。
「ここは……どこだ?
俺は崖から落とされて………天国か?」
崖から落とされたショックにより性格や一人称までもが変化してしまった。
動こうとすると自分の下がガサガサと音を立てる
下を見ると1本の木があった。
「そっか…お前に助けられたんだな……」
その木は普通の木と変わらない
しかし悠亜は、その木から異様な暖かさを感じた。
それはまるで安心する、包み込まれるような暖かさだった。
「いつまでもお前に乗ってるのは悪いな……」
そう木につぶやいて木から降りる
降りたところで周りを見回す。
崖から落とされたのに不思議と明るい場所だった、崖の下は普通真っ暗なところな筈なのにまるで陽の光が差し込んでるようだった。
「ここって…」
不思議に思ってると後ろから何かが唸る声が聞こえた。
「ひっ!」
そこには体長3mはあろうかと言う犬…と言うよりは狼だった
いきなりだった為恐怖した声を上げてしまい腰を抜かしてしまった。
逃げようにも立ち上がれない、今度こそ死んだ……そう思ったが。
「………ケガ…してるのか?」
よく見ると腹部と腕辺りに傷をおっていた
だからなのかすぐに襲ってこなかった。
「これなら大丈夫……なのか?」
しかし可哀想だ、落とされる前に誰も信じられないと思った悠亜だがこの目の前の狼は助けたい
何故か心からそう思っていた。
そこでデラン国王が言っていた言葉を思い出す。
『解析者は物を解析し調べる職業』
もしかしたら薬草なんかが生えてたりしないかと辺りを見回す。
「でも…スキルってどう使うんだ?」
スキルの使い方を教わらず崖から落とされた為、スキル自体の使い方がわからなかった。
「えぇい、こうか!
[解析]!」
とりあえず口に出して叫んでみた、ステータスも唱えれば出てくるから同じだろうと踏む
すると―――
「お、おぉっ、なんか文字が浮かんで見えるようになったぞ!」
悠亜の目にだけ文字が浮かんで出た
そこに何か薬草になりそうな葉を探す。
しばらく探していると、1本の葉を見つけた。
―ヒーリング草―
治療薬等に使われる葉
「あったあった、解析って中々便利だな
まっ、恐らく鑑定士には負けんだろうけど」
ヒーリング草を見つけ採取する、そこでもう1つのことに気づいた。
「これって……調合とかしないと薬草にならないとか…?」
どう考えてみても今手に持つヒーリング草はただ綺麗な葉だった。
「調合の仕方とか解析できないのか?」
すると、ヒーリング草の説明に新たな項目が追加された。
―ヒーリング草―
治療薬等に使われる葉
すり潰し怪我した場所に塗る事で治療できる
「おぉ、ハズレ職便利!」
その項目通りヒーリング草をすり潰した
綺麗な葉だったからか若干名残惜しそうにする悠亜だった。
「こんなもんかな?
さてあとは……」
大人しくこれを塗りつかせてくれるか…そう考えると怖くなってくる悠亜
しかし助けたい、意を決して狼に近づいた。
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