ハズレ職
「次は私か…」
美弦の番、他のみんなと同じように水晶に触れる
同じように輝きしばらくして光は消える。
「ふぅ……ステータス!」
ステータスを唱えウインドウが現れる、そしてステータスを眺め使用人が覗く前につぶやいた。
「聖女……?」
「なに、聖女とな!?」
「聖騎士に並ぶ職業ではないですか!!」
聖女…聖騎士に並ぶという事はこの職業も最上級という事だ
つまりありとあらゆるスキルにレベルが存在する。
美弦も優と同じく特別選ばれし者ということになる。
「凄いじゃないか美弦!」
「なに、君こそ
私達の職業は同等なんだ、君も変わらないだろう?」
最上級職業が2人もいるなんて!
これで魔族に対抗出来る!
俺達を導いてくれ勇者様!
と、王をはじめ使用人、着いてきていた兵士達などがそんな声を発し歓喜していた。
この後に悠亜を控えてるとも知らずに。
「次お前か悠亜、あの二人のあとってのが気が引けるな」
薫も思わず苦笑いで言うが、不安がっていた悠亜自身が1番緊張していた。
そして水晶へと歩き始める。
「は、次来栖じゃねぇか
どうせしょぼい職業なんだろ!」
なんて野次を飛ばし笑う加藤
ほとんどが薫と一緒に居るからあまり手を出さないが、加藤は悠亜をイジメとはいかないもののよくバカにしている。
加藤だけでは無い、美弦と仲良くしている悠亜をよく思わない者は男女問わず沢山いた
だから薫だけが唯一の友人なのだ。
水晶の前についた悠亜、落ち着け落ち着けと心に言い聞かせ、息を整えてから水晶に触れる。
特に変わらず他の者達同様水晶は光輝き、そして消える
それにホッと安心し水晶から手を離しステータスを唱える。
「ステータス!」
そしてみんなと同じようにステータスが出たことに嬉しさを感じた
しかし次の瞬間、ステータスを覗き込んだ使用人からの口からドン底に叩き落とされる。
「…………解析者」
「な……なんだと…」
明らかに他の者達とは空気が変わった
それは悠亜の前に職業を得た2人の歓喜の声が一瞬にして静まり返るほどだった。
「悠亜様の職業………解析者…です」
「解析者?
それはどんな職──」
どんな職業なんだと美弦が使用人に言う前にデラン国王が口を開いた、それはまるで怒声だった。
「このハズレ職めがっ!!」
「!?
……ハズレ…職…」
悠亜がデラン国王が放った言葉を繰り返すようにつぶやいた
何故デラン国王が怒りをあらわにしてるのかがわからなかった。
「解析者などハズレ職だ!
補助スキルも無いなんの役にも立たぬ職業、1人は居ると懸念していたがまさか的中しおったわ!」
何故こんなにも言われなければならないのか、悠亜はデラン国王以外の人にも目をやる。
「え……?」
なんとステータスを覗き込んでいた使用人からも軽蔑の目を送られていた
それは周りにいた兵士達も同じことだった。
「解析者というのはただ物を解析し調べる事、ただそれだけの職業だ!
そんな職業を得た者が勇者だと!?」
「そ、そんな……」
悠亜の不安が的中したのか…まさかそんな職業を引き当てるなんてと
悠亜は1人絶望した。
ついに悠亜の職業が決まった、次回急展開