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別れ

{どうやら決まったようですね?}



フェンリルは悠亜の顔を見ただけでわかった、決意をあらわにした顔を。



「あぁ、ここから出て地上に戻るよ」



{……いいでしょう

ではついてきてください}



フェンリルは歩き出し悠亜はそれについて行く

ガルも悠亜の横につき一緒に歩く。



前にもこんな事あったな…と、悠亜は半月前の事を思い出していた

フェンリルの後ろをついて行ってはここを訪れた人物の隠れ家に案内してもらっていた時のことを。



しばらく歩くとフェンリルは壁の前へ止まる

そして前足をかざすと壁の一部が凹んだ。



ゴゴゴッと音を立て壁がフェンリルが通れる程の大きさに上へスライドされていきそこには洞窟のような空洞があった。



{この先はダンジョンになっていてここを通れば地上に出れます}



「ダンジョン…こんな所に」



{覚えておいででしょう?

かの者はこのダンジョンを通りここへ辿り着いたのです}



かの者…あの隠れ家を造った人物

それはフェンリルの言う通りこのダンジョンを通りここへたどり着いていたらしい。



「ここを抜ければ地上に…」



{そうです、しかしただ通るには中々険しい道程です

凶悪なモンスターもおります}



ダンジョンとはモンスターが付き物

当然のように居るのは悠亜もわかっている。



「そのためにここで鍛え上げたんだ!

そんな事で音を上げてられない!」



{まぁここより弱いモンスターですけれどね}



ズルっと音を立て悠亜はずっこけた

せっかく強気に放った言葉をフェンリルはことごとく潰してくれたからだ。



{しかし、準備はしっかりとですよ

今は案内しただけですが、いきなり入る事はやめておいた方がよろしいでしょう}



そういうと開いた壁が下がり閉じる、フェンリルはダンジョンのスイッチに手を退けていた。



{食料や水も必要です

ダンジョン内のモンスターを狩り食料にするも良しですが、食せないモンスターも多々おります

昨日あなた達が狩ったホーンブルの肉がまだ数日分残ってますのでそれを持っていくといいでしょう}



それに承諾し1度戻る、しかし悠亜はある事に気づいた

それは食料や水等を入れる荷袋を持っていないということ。



それでは結果的に準備しても持ち運びができない…そうフェンリルに伝えると。



{ではあの隠れ家に行ってみなさい

かの者はあれだけの本を持ってきたのです、何かあるでしょう?}



そう、礼の人物はあれだけの本をどう持ってきたのか

それは悠亜にとっても1つの疑問だった。



少なくても家具なんかもある程だから何かしらあるだろうとフェンリルに言われ隠れ家に入る。



一通り隠れ家を探していると1つおかしな点に気づいた。



「ここの壁、ちょっとおかしいな?」



悠亜が見つけた壁は少し切れ目が付いていた

恐らくここに何か隠してあるのだろう。



外すように壁の一部を取る、そこには1つの腰袋があった。



「これ……か?

それにしては小さすぎるけど……」



少し振ったあと腰袋をひっくり返す

すると。



「おぉわぁぁぁぁっ!

なんだなんだなんだ!?」



たくさんの物が腰袋から出てきた、悠亜の叫び声を聞いてフェンリルは隠れ家を覗き込んだ。



{おや珍しい、次元収納袋ですか?}



「次元収納…?」



フェンリルの言う次元収納とは空間魔法の1つらしくそれを袋に付与させて空間魔法がない者でもその付与された物があれば次元収納が出来るというものらしい。



{恐らく知人に付与させてもらったものなのでしょう

それでこの数の本や家具を持ってこれたのですね}



1つの疑問が解消された

その次元収納袋から出た物の中に何か使えないかと探してると。



「………刀?」



一振の黒い刀だった

ご丁寧に鞘までありそれに収まっている。



{ほぅほぅ、中々良さそうな剣ですね

使ってみてはどうです?}



「でもよ、まだ剣術スキル解析してないぞ?」



{では剣術スキルを解析するまでとりあえず持っていては?}



それもそうだなと肯定し次元収納袋に刀を仕舞った

これで荷造りの準備が整える、そうして水や食料を用意し袋に入れ準備を終えた。



「おっし、準備完了!」



「バゥッ!」



ガルはなんのことかわかってないが一緒になって喜ぶ。



{では、最後にあの者にお別れを}



「あの者……?」



フェンリルの目線の先には、半月前悠亜がここに来た時クッションとなってくれた木があった

するとフェンリルから驚きの言葉を聞かされる。



{今まで黙っていましたが、実はあの木は世界樹なのです}



「せ、世界樹!?」



{世界樹と言っても、その一部ですけれどね}



「…ど…どういう事だ?」



フェンリルの話しはこうだ

この世界ゼアフィンドの中心にはそれはもう見上げても頂上が見えないほど巨大な世界樹があり、その根は世界中に広がっているとの事。



その根からさらに小さな木として生えてくるということのようだ。



だから一部と言っても立派な世界樹という事だ。



「まさか俺を助けてくれたお前が世界樹だったんてな

……あの時はありがとう、俺はここを出ていくよ」



額を世界樹に付け礼を良い別れを告げる

次の瞬間、悠亜の体が薄い緑の光に包まれた。



{ま、まさか!?

………そこまで彼を気に入ったのですね?}



「こ…これは?」



{称号をご覧なさい}



フェンリルに言われた通りステータスを開き称号を確認した、そこには新たなる項目が追加されている事に気づいた。



〘世界樹に愛されし者〙〘世界樹の加護〙



この2つだ、称号によってステータスに変化を及ぼすものがある

悠亜はこのステータスを確認した。


世界樹に愛されし者

・世界の中心に存在する世界樹の本体に接触を許される



「接触を許される…?」



{世界樹本体はそびえ立つ壁に覆われているのです、そして世界樹は意志を持つ……壁を越えようものなら結界が張ってあり侵入を拒む……しかしその称号を持つものは壁を越え本体に会える…そういった称号です}



「なんで俺なんかにそんな……」



{あなたはそれほど世界樹に気に入られたのですよ}



その事に感極まったのか悠亜は涙が出そうになる、しかし堪え世界樹を見てはまたお礼を言った

そしてもう1つの称号を確認する。



世界樹の加護

・世界の言語・文字を理解出来る

・自然スキルを会得

・精霊スキルを会得

・状態異常無効

・鑑定遮断

・HPが0になっても1度全回復する

・MPが0になってもいつでも全回復する



「な……なんだこりゃ……」



あまりに驚きすぎてそれしか言えなくなってしまった悠亜、フェンリルも横でステータスウインドウ見ては苦笑いするしか無かった。



落ち着きを取り戻してから加護で得た2つのスキルも確認する。



自然スキル Lv1

・─────



「あれ?

何も書いてない…?」



{恐らく解放条件があるのでしょう、そこはゆっくりと見つければいいです}



精霊スキル Lv1

・精霊召喚



「こっちはちゃんと書いてあるな、精霊召喚?」




{精霊を喚べるスキルですか、旅の道中使用してみたらよろしいでしょう}



「そうだな」



ステータスを閉じ改めて世界樹を見て触れる。



「旅をしていつかお前に会いに行くな」



それを見てたフェンリルは静かに笑った…。



「さて、それじゃ行くかな!」



「バゥッ!」



ガルはよくわかってないのかついて行く気満々という感じだった。



「ガル、お前ともここでお別れだな」



「ぐぅ…?」



首を傾げ悠亜に何を言ってるのと言いたげな表情だった。



「俺はここを出て地上に戻るんだ、だからお別れだ」



ゆっくりとガルの頭を撫でる

ようやくガルは理解したのか、まるで泣いてるかのように唸る。



「クゥ〜ン………」



「俺だって寂しいけどな……世界を見て回りたいんだよ…」



{………}



フェンリルは2人を見てある決心をした。



{よろしければ、我が子も連れて行ってください}



「え!?」



悠亜の驚きももっともだ、もしもガルを連れて行くなんてことになったらフェンリルはここで1体で過ごしていかなければならない

家族であるガルと離れ離れになってしまう。



{心配してくださっているでしょうが私はフェンリル、たった1体でこの地に残ろうが心配はありませんそれに……}



一区切り置いてふたたび口を開く。



{私の傍には世界樹が居ます}



フェンリルに釣られ世界樹を見る

ここで過ごしてきたフェンリルにとって世界樹も家族の一員、寂しくはないと言うことだ。



{我が子にも世界を見てもらいたいのです、あなたと一緒ならばこの子も嬉しいでしょうしそれに……あなたはこの子名付け親なのですから}



そう、ガルという名前は悠亜が付けたのだった

親をフェンリルと呼んでは被ってしまう、だから子には名前を付けるという悠亜の考えだった。



「…………ガル、一緒に来るか?

母親と離れ離れだぞ?」



そう聞くとガルは恐る恐るフェンリルを見る

それに応えるようにフェンリルはガルに微笑んだ。



許しを得た子供がはしゃぐかのようにガルは嬉しそうに悠亜に飛び込んだ、悠亜もそれがわかりガルを連れていくと決めた。



「わかった、ガルは俺が責任もって面倒見るよ」



{えぇ、よろしくお願いします

ではそろそろ、旅立たれては?}



「あぁ、そうするよ

行くぞガル!」



「バゥッ!」



悠亜達はその場を離れて行く、微笑みながらフェンリルは見送る

しばらく離れると悠亜は1度振り返った、疑問に思うフェンリル。



「世話になった!

また帰ってくるからな、行ってきます!」



先程、フェンリルは悠亜達が旅立つことに催促していたのには理由があった

しかしその言葉にフェンリルは抑えていた感情が込み上げて来たのか、微笑みながらも涙を流した

そしてこう言った。



{行ってらっしゃい!}








悠亜達が見えなくなるまで見送りフェンリルは静かに世界樹に話しかけた。



{あの子が来てからというもの、ずっと嬉しそうでしたね}



フェンリルがそう言うと世界樹は風に煽られるようにガサガサ揺れる、フェンリルの言葉通りそれは嬉しそうだった。



{あの子を助けたのは単なる気まぐれではなかった……という事ですか

私もですが、かなり気に入ったのですね}



微笑むフェンリル、風に揺れる世界樹

そんなフェンリルは世界樹の近くで横になり眠ることにした。




次回はダンジョン潜入!

いよいよ戦闘シーンも入れていきます!

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