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半月後

「行くぜガル!」



「ガゥッ!」



底無し崖へと落とされてから半月が経過していた頃、悠亜はそこで修行に励んでいた

今し方悠亜が呼んだガル、それはフェンリルの子だった。



悠亜と出会った時怪我をしていたのはこの子供を庇い他のモンスターに攻撃を受けてしまったからであったと言う

それからしてモンスターの数を見兼ねて悠亜が落ちてきた礼の木の近くで隠れていた。



そのフェンリルの子は人懐っこいのか悠亜と出会いすぐに馴染んだ、出会った頃はまだ赤ん坊なのか子犬程の大きさだったが、半月経った今成長し中型犬程に成長した

フェンリルの子と言うのは長寿の割に成長が早いようだ。



今はフェンリルとでは無くそんなガルと修行をしてモンスターを狩っていた。



「ホーンブル程度なんかには負けねぇぞ!」



ホーンブル、大きい角が特徴の牛

モンスターとしては王都の兵士5人掛りでやっと倒せる程のモンスターだった

ちなみに悠亜は落とされてる為そんな事も知らずガルと共に狩っている、今それほどレベルが上がっているようだ。



「ガウッ!」



ホーンブルに噛み付くガル、そこを逃さんと悠亜はフェンリルから解析した属性術を使う。



「炎弾!」



小石に火の属性術を纏わせそれを投げる

フェンリルが言ってたように属性術は武器等に付与出来る為小石に纏わせた。




「ブオォォォォォッ!」



炎弾が直撃しそこからホーンブルの全身に燃え広がり絶命

ガルは直撃と同時に離れ悠亜の隣に戻ってくる。




「おっし!」



「バゥッ!」



やったな!とガルの頭を撫でる、唸りながら気持ちよさそうにそれを受けるガル。


こう見るとただの犬にしか見えない。



狩ったホーンブルをガルと協力し、引きずりながらフェンリルの居るところに戻る。



{帰ってきましたね?}



横になっていたフェンリルは悠亜達が帰ってきたことがわかると顔だけ上げそちらを見る。



「少しは手伝ってくれよ」



はぁっと息を漏らしながらフェンリルにボヤく。



{何を仰います、これは修行なのですよ?

我が子も強くなれるし一石二鳥なのです}



「ガルは楽しそうだからなあ、それはいいが…」



息を荒くしながらガルはフェンリルの前をくるくる走り回っていた。



{ところで、もう半月でしょう?

そろそろステータスを開いてもよろしいですよ}



この半月、悠亜はフェンリルから修行中ステータスを開くなと言われていた

ステータスを開けないのに何故属性術スキルを使えたのか、それは修行前に1つのスキルを確認する為に炎スキルだけ見たのだ。


スキルにはレベルがある、そのスキルで覚えた中の種類にもレベルがある

例えば

属性術スキルLv1

火スキルLv1

水スキルLv1

等、その炎レベルを上げて行くと使えるスキルが増える…が見たのは炎弾のように火を纏わすスキルだけだった。



「やっとか……どのくらいになってんだろ?」



ステータスを唱えウインドウが現れる、半月ぶりの自分のステータスにワクワクしていた。


───


来栖 悠亜 Lv21

MP 237/430


職業:解析者

スキル:解析 Lv3

・職業解析 ・モンスター解析 ・文字解析 ・素材解析

属性術 Lv4

火スキル Lv3

・纏 ・火炎放射

水スキル Lv1

・纏

風 Lv1

・纏

雷 Lv1

・纏

毒術 Lv1

・ポイズン

称号:喚ばれし者 異世界人 ハズレ職 落とされし者 真なる解析者 フェンリルの友


───


スキルに毒術とあるが、これは半月の間とあるモンスターを狩る時に解析し会得した。



「おぉ、レベル21になってる!

スキルもかなり増えてる」



{ふふっ、それは良かった

では…そろそろここから出てはどうです?}



「え?

出れんの?」



今までここから出れる出口のようなものは見当たらなかった

いや気にしてなかったと言った方が早かった、どちらかと言うと修行に集中し過ぎて悠亜は、ここを出ようと思ってなかった。



{あなたにその気があるのなら…ですが}



悠亜は考える、称号にもある通りせっかくフェンリルと友人になれたのに

ここを出て地上に戻れば離れ離れになる…そうなると寂しい……そう考えていた。



「1日…考えていいか?」



{えぇ、ゆっくり考えてください}



それだけ言うとフェンリルは、悠亜達が狩ったホーンブルを引き裂き食材に変える

ガルは楽しみなのか嬉しそうにそれを眺めてる。



普段悠亜もそれを眺めていたが先程の話しを考えては目に入らなかった。



そして食事も終わり夜、悠亜はまだ考えていた。



(急に地上に戻れるとなると、こんなにも悩んじゃうんだな……)



やはりどこか寂しげだった

それはそうだろう、短くとも半月一緒にいた友人と離れる事になるのだから。



(ここから出れるならあいつらに復讐を…なんて考え、もう正直どうでも良いしな

それに戻れたとして何をすればいいものか……)



この世界に来てからというもの当然のように身寄りもない、金もない

そんな中生きていけるのだろうかと、頭をよぎる。



{だいぶ迷ってらっしゃいますね?}



悩んでいると後ろからフェンリルが近づいてくる

悠亜の隣に来ては座りそして伏せる。



「まぁ…ね、戻ってなにするかもわかんないからな…」



{………}



フェンリルは横目に悠亜を見た、それだけでわかる、相当悩んでいると

そこではぁとため息を漏らしフェンリルは1つの提案をする。



{ならば旅に出てはどうです?}



「…旅?」



{そう、あなたは異世界人

このゼアフィンドを知らないでしょう?

旅をして多くに触れ、多くを見て、あなたのやりたい事を見つけるのです}



伏せた状態から身体を座らせ顔だけ悠亜に向け見下ろし言葉を続ける。



{例え見つからずともあなたはまだ若い、急がずともゆっくり…あなたはあなたの成すことを成すのです}



「………」



そこまで言うとフェンリルは来た道を戻りガルの寝る寝床へ戻って行った。



「……旅でやりたい事を見つける……か…」



悠亜は結局寝ずにずっと、ゆっくり考えていた。



そして朝、ここは崖の下だから朝日というのが無く、それでも特別な場所である為明るい

しかし、ここには何故か鳥が居て活動を始めると朝が来た報せになるのだ。



その鳥は鳴きながら飛び、考えて座り込んでいた悠亜の肩で止まり羽繕い(はづくろ)をし、またしばらくすると飛んでいく。



それと同時に悠亜は立ち上がった、1つの決意と共に。

2章スタートです!

今回からそれなりに文字数を増やしていきます!

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