15. アルルとの会話
「靴に魔力を注ぐ感じでやればちゃんと動くはずだから頑張れ!」
俺は例の靴を履いた二人に話しかけた。
「分かったわー」
「分かりましたー」
二人はそう答えるとマールは空を飛びシエラはありえないほど速いスピードで走って行った。
「きゃー、すごーい」
などの声がどんどん小さくなっていくのを俺は草原に寝転んだ。周りに魔物もいないためとても安全だ。
俺は空を見ているとアルルに話しかけられた。
「どうしたんですか? 何か悩んでいるみたいですが」
「そう見えるか?」
「はい」
(まぁアルルなら話してもいいかな)
俺はそう思いさっきのマールとの会話のことを話した。
「俺あんなこと言われたことがないしどうすればいいのかなぁって。しかも仲間としての意味だったら恥ずかしいし」
俺はアルルに自分の気持ちを打ち明けた。
それを聞いたアルルは何か面白そうだなと言う顔をしてこっちを見て言った。
「まぁ、今は焦らない方がいいと思いますよ。もっと様子を見てからでもいいと思います」
そのアルルの意見ももっともだと思い俺は素直に「そうだな」と肯定した。
話が終わるとアルルがこんな事を言い出した。
「それにしてもショウ様はモテますねー」
「そうか? 俺全然モテなかったんだけどな」
そう、俺は前世は全然モテなかったし女子と喋ると緊張するような陰キャだった。
しかし異世界では性格を変えたいと思い努力をした結果がこれだ。
でもアルルは俺のモテなかったは信用できないようだ。
「ショウ様がモテないわけないですよ。気づいたないだけですよ」
「そうかなー」
「そうです。それにこれからもっとパーティに人が増えそうな予感はします。それも女性の。ショウ様は女性を落とすのがお上手でしょうし」
「いやいや、俺が女性を落とすのは上手いわけないじゃないか」
アルルの言葉を俺は否定した。異世界に来て少しは変わったと思うが、そんな簡単に女性を落とせるほどは、変わってないだろうしな。
しかしアルルはそれも否定した。
「現に二人も落としてるじゃないですか」
「シエラとマールか?」
「はいそうです」
俺は少し冗談ぽく言ってみたが正解だったみたいだ。
「いやいや、あの二人は多分仲間として気に入ってるってだけだと思うぞ。まだ男としてはみられてないと思う」
「ショウ様は鈍感ですねー。まぁそれでいいんじゃないでしょうか。私的にはそっちの方が面白いですし」
えっ俺って鈍感なのか? そんな言葉が聞こえた気がしたため聞き返した。
「俺って鈍感?」
「はい、そうだと思いますよ」
即答された。
「でもそう思ったことがないんだよな」
とアルルに言うと
「そういうのは自分で気づかないものですししょうがないですよ」
と返されこの会話は終わった。
「二人とも遅いなー」
「そうですね」
その後何もせずに二人を待っていたがなかなか帰ってこなかった。
「どうする? 探しにいくかー?」
「そうしますか」
それから俺たちはあの二人を探しに森の中に入った。しかしなかなか見つからず困っているとアルルに
「ショウ様は気配探知の魔法は使えないのでしょうか?」
と言われた。
「気配探知?」
俺は初めて聞く魔法に思わず聞き返した。
「はい。自分が探知した範囲内に魔物がいるかなどわかる魔法です。すごい人になると気配探知を使って見た相手の能力やまだ眠っている能力を見れる人もいるらしいです。無属性魔法を使える人が使える魔法とご主人様が言っていました」
「ご主人様ってエマさんのことか?」
「はい。ショウさんほどの魔力量があれば十分に使えるだろうと言っていました」
「そうかー。じゃあ試してみるよ」
俺はアルルに言われた通り魔力探知を使ってみることにした。
「魔力探知!」
すると周りにいる魔物の数に場所まで分かった。
そして3キロ先ほどにシエラとマールだろう魔力を感知できた。
「見つけた! 急いでいくぞ、アルル!」
「はい。わかりました」
俺はシエラとマールたちがいる場所に急いで向かった。




