[ 7 ]
「カメリア〜今日はお客様がいらっしゃるから支度しましょうね。」
王宮でのいきなりのお茶会から数日が経ち生まれ変わったこの世界にカメリアはだんだんと慣れつつあった。
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「本日はお越しくださりありがとうございます。」
「ふふ、こちらこそお招き下さりありがとう。」
「カメリア、此方はラビート公爵夫人よ。ご挨拶して」
ラビート公爵夫人と紹介された女性は真っ白な艶やかな白髪に同じく真っ白な長い耳が2つピンっと立っていて瞳はルビーのように真っ赤であった。
「キレイ...あっ!!も、申ち訳ありませしぇん。...シャーチェ伯爵が娘、カメリアと申ちます。」
「あら、綺麗だなんて嬉しいわぁ〜。初めましてカメリアちゃん。わたくしはラビート公爵の妻でダッチェよぉ。よろしくねぇ。そして、息子のレッキスと娘のファージーよぉ。ファージーとカメリアちゃんは同い年なのぉ、仲良くしてあげてぇ〜。」
紹介されたラビート公爵家の長男であるレッキスはザイードと同じ9歳で灰色の髪色に真っ白のピンっと立っている耳で瞳は真っ黒で少しつり目である。
妹であるファージーはカメリアと同じで3歳でありダッチェと一緒の真っ白の髪色であるが耳は灰色で両耳がペタンと垂れている。瞳は真っ赤であるが耳と同じでタレ目である。
「本日はお招きありがとうございます。長男のレッキスと申します。」
「...ファ、ファージーと申ちまちゅ。」
レッキスはハキハキと喋るがファージーはオドオドしていてすぐにダッチェの後ろへと隠れてしまった。
「ごめんなさい、この子人見知りでぇ...克服させるつもりで今日連れて来たのだけどぉ。」
「ふふ大丈夫ですわ、ダッチェ様。カメリア、レッキス様とファージー様にお庭をご案内してらっしゃい。」
「あい、お母ちゃま。レッキスちゃま、ファージーちゃま、ご案内いたちます。」
淑女としては良くないかもしれないが同い年であるファージーと仲良くなりたかったのでレッキスとファージーの手を握り伯爵家自慢の庭園へと案内しようとする。
「カ、カメリア嬢っ!?手をっ」
「カ、カメリアしゃま!?」
カメリアが手を握って歩き出したのでレッキスとファージーが戸惑いを隠せずにカメリアへと問いかけるがカメリアは気にせずにそのまま手を握って庭園へと向かう。
「レッキスちゃま、ファージーちゃま、此方が庭園になります。この白いバラ、ファージーちゃまにそっくりですね!とっても可愛らちいですわ。」
よく見ると丸いフワフワとした灰色の尻尾がピクピクと動いている。
「わ、わたくち...そんなキレイな白では、ありましぇんわ...」
眉を八の字にして今にも泣きそうな顔をする。
「ふぇ?とってもキレイですわ。こんな真っ白の、髪に、ふわふわの耳、素敵ですわ!」
どうしたら伝わるのかなぁ。私の語彙力が無さすぎてこの素晴らしさを伝えられないなんて...
「...そんな、ことないでしゅわ。」
「ファージー...」
レッキスが泣きそうなファージーの頭を撫でて宥める。
「凄く、凄く、羨ましいわ。そんなキレイな真っ白な髪、でも、ファージーちゃまのお耳は、私の髪色と似ていますね。ふふ、オソロいです!」
自分の髪をひと房取りファージーの耳にくっつける。
「そ、そんな事...初めて...言われまちた。」
そう言うとファージーは我慢していた涙を零すのだった。
ここまで読んで下さってありがとうございます。
ダッチェ・ラビート公爵夫人
白髪に赤い瞳で白い立ち耳が特徴的なウサギの獣人
レッキスとファージーの母親
語尾が伸びるのが特徴
レッキス・ラビート 9歳
灰色の髪に黒の瞳 白い立ち耳が特徴的なウサギの獣人
つり目であまり喋らないので怖がられる事もある
妹のファージーがとても大切
ファージー・ラビート 3歳
白髪に赤い瞳 灰色のタレ耳のウサギ獣人
耳が他のウサギ獣人と異なる為、心無い言葉を言われ
人との関わりが怖くなっている