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お待たせしました!!!
「?」
何処かで自分の名を呼ぶ声が聞こえる。
「誰?」
誰かと聞いても返事は帰って来ない。
「誰が私の名前を呼んでるの?」
微かに聞こえる私の名前を呼ぶ声。
だけど何処から呼んでいるのか分からない。
誰が呼んでいるのかも分からない。
「...私、もう目覚めたくないの。誰も私の名前を呼ばないで」
カメリアはその場にしゃがみ込み膝に顔を埋める。
【見つけたわ!】
いきなり近くで声が聞こえてきてカメリアは咄嗟に顔を上げる。
するとそこには、精霊王達が心配そうな顔でカメリアを見つめていた。
「み...んな」
【どうしたのですか?】
【中々入れなかったのよ!どうしちゃったの?】
【なんで僕っちを拒否したの?】
「え?拒否?」
【ああ、ここへ来る途中で黒い何かが俺達を阻んだんだ。】
【そうよそうよ!黒い物が私達にへばりついて気持ち悪かったのよ!カメリアが私達を望んでないから帰れとか言うのよ!ほんと失礼しちゃうわ!】
「...」
【僕っちを拒むなんてしないよね?】
【...何があったのですか?】
精霊王達の話を聞いて自分が目覚めたくないのがその黒い物を生み出してしまったのかと怖くなった。
そんなカメリアの思いを察したのかうめが声を掛ける。
「...私、ここから目覚めたくないと思っちゃったの...」
【え?どうしてよ?】
「私なんかが幸せになっちゃいけないんだよ。だからね、目覚めないようにって思ってたの」
【お前は幸せになる為にここに転生して来たんだぞ!】
【そうですよ。貴女は幸せにならなけれいけません。】
「...でも、幸せだと感じると私...誰かが阻止しに来るの。前も虐められたし...今回も私の事をよく思ってない人に熱いスープ掛けられて...あ!でもわざとじゃなくてたまたまなんだろうけどね。あの熱いスープで思い出しちゃったの、前世でね、自分の母親に、同じ事をされたのを...」
また思い出してきてしまい、膝にまた顔を埋める。
【...カメリア】
【また誰かが虐めようとしたわけ!?許せないわ!】
【僕っちが成敗するよ!】
【ああ、俺もだ】
「みんな...ありがとう。でも、大丈夫だよ。私が目覚めなければ、この世界にいたら良いんだと思うの。」
【それは良くないわ!】
【貴女が目覚めなければ悲しむ人達が何人も出てくるんですよ?】
「悲しむ?」
【そうだよ!僕っちはここでもカメリアと過ごせて行けるけど君の家族や友達、あとリヒトだって悲しむよ。】
「あ...」
浮かんで来るのは笑顔を向けてくれる家族、ファージー、いつもカメリアの膝の上を独占するリヒトの姿である。
「...あ、会いたい。けど、私がいたら皆に迷惑掛けちゃうかも...」
【ふふ、みんな迷惑だなんて思わないわよ。】
【君のお母さんやお父さんがもっと甘えて欲しい、我儘言って欲しいって嘆いてたよ〜】
「お母様とお父様が?」
【確かに言ってましたよ。】
【リヒトも寂しがるぞ】
「...リヒト」
【あの子、私達がカメリアに会えるの物凄く怒ってたわよねぇ。】
「私、目覚めても良いのかな?」
【【【【当たり前】】】】
【でしょ】
【だよ〜】
【ですよ】
【だろ】
精霊王達が声を揃えて言ってきたのだった。
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