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「ねぇファージー、バードー伯爵家って確か鳥の獣人の家系だよね?ラーナ様って鳥獣人の感じしないよね?普通に人って感じだし!ノアも猿の獣人家系なのに全然そんな感じしないし!不思議だね〜」
「確かバードー伯爵家もモンキーニ公爵家も血が薄れてきているからわたくし達みたいに動物の一部が出るって事はあまり無いそうよ。血が濃いと弱ってる時や自分でなりたい時にその動物になれるって聞いた事あるけれど...わたくしは無理よ!そんな期待した眼差しで見られても困るわ!」
「そっかー...」
ファージーの説明を聞いて目をキラキラさせていたカメリアだったがファージーがウサギになれないと知ると肩を落とし残念がる。
「そ、そんな落ち込まないでちょうだい!え、えーと...あ!確かキャトシー子爵家は代々猫獣人とのみ婚姻が許されてるらしくて血が濃いからなれるんじゃないかしら?...あぁ〜でも、四人兄弟の末っ子が家出中で帰って来ないらしいわよ。わたくし達の1つ上くらいだったかしら...?」
「家出!?大丈夫なのかなー?心配だね...」
「うーん、あのキャトシー子爵ってあまりいい噂聞かないのよね。子ども達をいつも怒鳴ってたりするらしいわ。中でも家出した末っ子は暴力を振るわれていたらしいし。だから家出したんじゃないかしら?」
「...暴力」
その言葉を聞いたカメリアは、前世の事が頭を過ぎる。
虐待って事だよね...酷い。この世界でも虐待する人っているんだ。お母様やお父様、お兄様達はとっても私に優しいからこの世界にはそんな事する人はいないと思ってた。
あ、でも、孤児院のみんなに酷い事してた神父様達やレイヴィス様みたいな人もいるんだから虐待する親がいてもおかしくないんだよね。もし...もしも、その子と会う機会があれば助けられるようにしたいな。ううん、絶対助ける!!!
「カメリア?大丈夫?」
「え?う、うん!大丈夫!もしその子と会うことがあれば私、助けようと思うの!...あ!私の商会に入ってもらおうかな!」
「あら素敵ね!...やっぱりカメリアは優しいわね。」
昔の事を思い出すファージーは隣で笑うカメリアのこの笑顔を守っていきたいと思うのだった。
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「...まだ言い争いしてるの?アラン兄様、ルイ兄様もういつまでノアを虐めてるの?ノア、勝手にランチ取ってきちゃったけど大丈夫だった?メインはパスタを頼んできちゃったけど...」
「ありがとう大丈夫」
「「虐めていない!!!」」
「ねぇ、カメリア、本当にリア呼びを許すの?僕はオススメしないよ。それに兄様も黙ってないと思うんだ。」
「ザイード様?どうして?」
「それはわたくしも思うわ。ザイード殿下とわたくしのお兄様もいい顔しないはずよ。」
「え?なんで?リアがダメならカメの方が良いってこと?」
「そういう意味じゃなくてね...もう、カメリアは鈍いというかなんというか...鈍いのよね...うん。」
何処か遠い目をするファージーを不思議に思いながらカメリアはどうしたら良いのか悩む。
「カメリア嬢は本当に可愛らしいな。アラン、ルイ、クリフト、その辺にしときなよ。カメリア嬢が可哀想だ。カメリア嬢はモンキーニ殿をそういう対象で見ていないんだ。ただのお友達としかね。」
とニヤリと笑いノアを見るラーナである。
「...まあ、そうだね。ただのお友達なら」
「ただのお友達なら仕方ないか。ただのお友達なら」
「うーん、今は大丈夫だろうけど...僕達よりも兄様が心配だよ。」
ラーナの言葉に嫌々ながらも納得するアランディルとルイディル、と歯切れの悪いクリフトだった。
「ただのお友達って言い過ぎなんだけど、まぁ良いや。めんどくさいし」
やっと解放されて来た時よりも少しげっそりとしてしまったノアはカメリアの横へと座りカメリア達が持ってきてくれた食事と頼んでくれたメインにありつくのだった。
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一応落ち着いたのでまた再開します。
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