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地下へと着くと牢屋のような部屋に数人の子供達が膝を抱えて座っていた。
「...見世物小屋...アルが言っていた通りなのね。ルカ、みんなの顔はわかる?きっと私達が話しかけちゃうと怯えちゃうかもしれないから」
「はい、皆の顔、分かります。」
と言ってルカは子供達の近くへ行き、何かを話したらパッと顔を上げて目線をカメリア達の方へと向けてきた。
「お父様、あの牢屋のような部屋は鍵が掛かってるのでしょうか?」
「カメリア、大丈夫だぞ。お父様はこんな物を持っているんだ。」
エッヘンというような仕草をしたアイバートが持っていたのは、鍵が数個着いている輪っかを見せてきた。
「...お父様、いつの間に...」
「こういう事もあるだろうと思ってね。この中にここの鍵があるだろう。」
ルカに鍵を渡して何個か試している内にカチャという音と共に扉が空いた。
「...初めまして。私、サーチェ伯爵が娘のカメリアと申します。もう何も怖い者は無いから大丈夫よ。」
怖がらせないように成る可く笑顔でゆっくりともう無事なのだと、虐げる者はいないのだと、話していく。
「妖精姫様、ありがとうございます。」
「妖精姫様!」
「姫しゃま!」
「ありがとうございます。」
数人いた子供達、全員が何故かアンナが言っていた「妖精姫」という言葉を発してお礼を言っていく。
「え?え?ど、どういうこと?私、妖精姫なんかじゃ無いよ!?」
カメリアが焦っているとアンナは、当たり前です。なんて言っていてアイバートはとても嬉しそうである。
「ぼ、僕が、伝えました。助けてくれたのは、妖精姫様なんだと」
「えー!?いやいや!!私が助けた訳じゃないし、妖精姫なんてそんな事無いんだよ。て、訂正しなきゃ!」
「良いではありませんか!カメリアお嬢様は、美しい妖精姫ですし、カメリアお嬢様が動かなければこうして子供達を助けられなかったかもしれません。」
「そうだね。まあ、父親としては心配で心配で仕方が無かったがな。ユリシェも心配していたから帰ったら謝るんだよ。だが、私達を待って無茶をしなくて偉かったな。もし、無茶をしていたら今後一切、外出は認めない所だったよ。」
ハハハと笑うアイバートの瞳は全く笑っていなかったので、カメリアは無茶をせずにアイバート達が来るまで待っていて良かったと心から思うのだった。
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あれからあの孤児院は、国がちゃんと見極めた神父を派遣し逐一報告するように、となったらしい。
神父はこの国の為に一生強制労働、コールネルは爵位剥奪され神父と一緒で強制労働となったらしい。そして、他にも関与していたであろう貴族や裕福な商人達にも同じ罰が下された。
そして、売られた子供達も孤児院に戻ってきた。しかし、身体は勿論、心の傷が大きいため心の医者が必要だとカメリアが声を上げて心の専門医を探してもらったりそういう医者を育てるようカメリアは、ザイードや国王であるロックに掛け合った。
「ほう、カメリアの着眼点は素晴らしいな。心の医者とはおもしろい。なぁ〜アイバート、やっぱり欲しいんだが。息子の嫁にでも...」
「やらねぇー!やる訳がない!かわいいかわいいかわいい私の娘だ!誰にもやらん!」
「お、お父様...」
国王に歯向かう父親を宥めながらも医者の件はお願いします。と念を押す。
「心の医者というのは、私自身は良いと思うがすぐにどうこうは難しいだろうな。それも孤児の為にというのもな。4大公爵が黙ってなさそうなんだよなぁ。」
そうだよね...普通のお医者さんでさえ基本は貴族専門が多くて平民がみてもらうには莫大なお金が必要なんだもんね。
うーん、歯痒い!!!...あ!じゃあ、お医者さんの学校を作って貴族も平民も関係無く学べるようにして、専門毎に選択出来るようにクラス分けもしてけばお医者さん増えるんじゃないかな!?
...でも、それだと資金が...とりあえず、私達の領地で試験的にやってみて上手くいけば王都でも作ってもらえれば感染症とか防げるだろうし...お父様と陛下に聞いてみよう!!
「お父様、陛下、あの...」
「ん?なんか閃いたか?」
「カメリア、どうしたんだい?」
自分が思った事をロックとアイバートに話し出した。
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