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「あぁ〜カメリア様、此方にいらしたのですね。申し訳ありませんが、この後約束がありまして...カイとナタリーはまだ帰ってきてませんので次の機会にでも...」
「まぁ神父様、ご予定があったのですね。知りませんで申し訳ありません。では、最後にここの子供達に挨拶して帰りますね。」
「え、あ、いや、子供達は、そのですね。あの〜...ゆ、夕食のですね、準備で忙しいので」
「...そう、ですの...なら」
『チュン』
どうやって父であるアイバートが来るまで時間を稼ごうか悩んでいるとタイミング良くあやめがカメリアの元へ来たのだ。
「あ、お父様がこちらにいらっしゃるみたいなので着くまでこちらで待っていてもよろしいかしら?」
「え、えーと、すぐお帰り頂けるのでしたら...どうしても外せない大事な用がございまして...その」
狼狽えている神父を横目にカメリアは「お父様が来たみたい」と外にいるであろうアイバートの元へ向かった。
「お父様!」
「おぉ!カメリア!」
「お父様、あやめはすぐに分かりました?」
「ああ、あの小鳥は凄いなぁ〜驚いたよ。カメリアのお手紙もお父様は嬉しくて嬉しくて、大事に取っておくからね。」
「あやめはとっても凄いの!お父様は、お手紙がお好きなの?なら、いっぱい書くわ!!あちらに神父様がいらっしゃるの。...あのね、ここに地下があるそうなの。」
「...ほう、地下、ね。」
先程までのデレデレの表情から一転して顔が引き締まりカメリアが言った方向にいるであろう神父を睨んだ。
「これはこれは、神父様、私の娘が色々と見て回ったそうで。何かご迷惑はお掛けしてませんか?」
「いえいえ、迷惑なんてとんでもないです。...あ、あのですね。ただ、この後どうしても外せない用事がありましてですね...」
ごにょごにょと神父が言っていると
「ん?なんですかな、こんなに人が集まって...おや?なんと可愛らしい少女ではないですか。神父殿、良い商品を手に入れましたな。」
口髭を生やした男の人がねっとりとした目線をカメリアにやる。
き、気持ち悪い...
カメリアは怖くなり、アイバートの背に隠れる。
「い、いや、コールネル様、商品では無くて...その、ちゃんとした商品は、いつも通りの場所に並べていますので」
焦ったように神父はコールネルと呼ぶ男に地下へと誘導する。
「ゴホン、この子は私の愛娘だ。自分から言ってくれるとは
、有難い事ですね。」
アイバートは咳払いをして後ろにいた人物に声をかけた。
「...もう少し長引くかと思ったけど良かったよ。」
この声...もしかして!?
カメリアも声の方へ目をやるとサーチェ伯爵専属騎士に紛れて黒いフードの人が2人いた。
よく見るとサーチェ伯爵専属騎士の他に王宮へ行った時に一言二言話をした騎士も数名みえる。
黒いフードの2人が1歩前へ出てアイバートの横へ来てフードを取る。
「コールネル子爵、久しぶりだね。君の息子には散々頭を悩ませられたよ。」
「コールネル子爵、神父殿、詳しく聞きたいので我々と来てもらおう。」
やっぱりザイード様だ!それにレッキス様まで!
フードの人物はザイードとレッキスであった。
ここまで読んで下さってありがとうございます。
熱は下がりました〜
まだ喉の痛みと咳が...
皆様も風邪にはお気を付け下さいませ!




