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「今日は女子2人を売りに行く日だからあの男は、焦っているんだと思う。貴族のアンタが来て金を搾り取れるから。でも、お得意様に売るのも大事だからな。」


「...そう、嫌な言い方だけどタイミング的には良かったわね。」


 女の子が売られるのを良かったなんて言いたくないけど、でもタイミングは本当良いんだよね。ちょうど売る所をおさえられたら神父は言い逃れ出来ないはず!そして、そのまま悪い貴族も出てくれれば有難いけど...そう簡単には上手くいかないよねぇ


「アンナ、マリー達は後どのくらいかな?」


「そう遅くは無いかと...」


「...あ!あやめに頼もう!」


 あやめ、聞こえるかな?お願い、私がいる所まで来て。


 カメリアが心の中であやめを呼ぶ。





『チュン!』


「あやめ!!!」


「え?え?この鳥って、カメリア様が、可愛がってる、小鳥ですよね!?なんで、ここに!?」


 突然窓から現れたあやめにここにいた全員が驚いている。


「呼んだら来てくれたの。アルさん、書けるものありますか?手紙を書きたいの」


 眉間に皺を寄せているアルにカメリアは、手紙を書く為の紙とペンをお願いする。


「...お貴族様が使うような上質のヤツは無いぞ」


「構わないわ。」


 アルから紙とペンを借りるとカメリアは、簡潔に今の状況を伝える為にペンを走らす。

 書き終えるとカメリアの肩に止まっていたあやめの脚に結び付けてカメリアの父親であるアイバートの所へ届けて欲しいとお願いした。


「あやめ、頼んだわ!貴女が頼りなの。コレを無事にお父様のところへ運んで」


『チュンチュン』


 あやめは、カメリアに応えるように鳴き、先程入ってきた窓から出ていった。


「これでお父様に今の状況を伝えられるはず。近くにいてくれれば良いんだけど...」


「カメリアお嬢様、やはり妖精のお姫様です!」


「へ?」


「お嬢様、私は貴女様に一生仕えさせていただきます。」


「ん?」


「カメリア様、凄い、です。」


「え?」


「アンタ何者なんだ?」


「どういうこと?」


 あやめを見送るとアンナとグレナーが尊敬の眼差しでカメリアを見ていて、ルカは目を見開き驚いた様子でいた。アルは、カメリアを訝しげな顔をして見ていた。


「カメリアお嬢様は、小鳥をも操れるなんて凄いです。慈悲深くお美しいカメリアお嬢様は、妖精姫なのですね。」


 アンナは、うんうんと1人で納得し始めてしまった。


「そうか、お嬢様は妖精姫なのか。私は、そんな素晴らしいお方に仕えられるとはなんと光栄なんだ。」


「え!ち、違うから!」


 話が変な方向へと向かっていったのでこの話は終わり!と言って話を戻す。


「...えーと、たぶんあやめがすぐにお父様の所へお手紙を届けてくれるはずなんで。後は...その売られる事が決まってる女の子はどこに?」


「たぶん地下に」


「え?地下があるの?」


「ああ、お得意様とかが来る時は俺ら地下に連れてかれて見世物屋みたいに並べられるんだ。アイツは俺らの事をただの商品としか見ていない」


「...なんて、酷い...アルさんもルカも?」


「ああ」


「は、い。そこで見初められ売られそうになったので、僕は...逃げました。」


 苦しげな表情をするルカをカメリアは優しく撫でた。


「カ、カ、カ、カメリア様っ!?」


「ルカ、いい子いい子。ルカが逃げてくれたから私はルカに出会えたし、他の子も救えるんだよ。逃げた事は決して悪い事じゃないからね。」


 そう言って、カメリアはルカを撫で続けた。












ここまで読んで下さってありがとうございます。


すみません、風邪をひきまして

熱も出てるのでもしかしたら遅れるかも

しれません。ごめんなさい...

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