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感想ありがとうございます!
とっても嬉しいです。
「マリーはやくはやく!」
「お嬢様、そんなに慌てなくてもケーキ屋は逃げたりしませんよ〜」
「マリーが食べたいケーキ、無くなってしまうかもしれないでしょ?」
「カメリアお嬢様、淑女は走ったりしませんよ?」
「...アンナ」
「護衛であるグレナーやルカがいますが、カメリアお嬢様にもしもの事があれば...」
「アンナ、ごめんなさい...」
自分がした事がいけない事であると理解したカメリアは、アンナとマリーに素直に謝った。
そんな素直なカメリアをアンナとマリーは愛しく思う。
「わかって頂けたらそれでいいのです。さぁ、ケーキ屋はすぐそこですよ。」
「ええ。そうだ、グレナーもルカも好きの選んでね。今日は、ルカが我が家に勤める許可をお父様がくれた記念日なんだからね!」
そう、こんなにカメリアがはしゃぐのには前回熱で来れなかったマリーが来れた事と、ルカが試用期間を経て使用人達からの評価も良い為このままサーチェ伯爵家で雇う事になったからである。
「あ、ありがとう、ございます。」
5人は、ケーキ屋でそれぞれ好きな物を頼み用意された個室で雑談しながら楽しんだ。
「はぁ〜とっても美味しかったわね!また来たいなぁ」
「はい、また来ましょ...」
「ルカ兄っ!!!!」
マリーの言葉が誰かの声でかき消されてしまった。
「ルカ兄しゃん!!!」
カメリアと同じくらいの男の子とそれよりも少しだけ小さい女の子がルカ目掛けて走ってきた。
「え!?カイにナタリー!?どうしたの?」
「ルカ兄がいなくなってからあの男、もっと酷くなったんだ...最近、売る時期が早くて...本当は昨日、俺...売られる予定だったんだ。だけど、怖くて...逃げてきた。そしたらコイツも着いてきちまって...他の奴らも逃げるとは言ってたけど...」
とルカにカイと呼ばれた男の子は俯いて表情が読めない。
「...まさか、こんなに早く動くなんて...バレたのかな。」
ルカがいつもとは違う真剣な表情で考えこんでいる。
「ルカ?どうしたの?」
たぶん、ルカと一緒の孤児院の子だよね?
きっと何かあったんだ!...お父様にお願いしていたけど、問題が起きちゃったみたいだよね。どうしたら...
「カメリア様、急用が出来ましたので先にお戻り下さい。」
「お姉しゃん偉い人?お貴族しゃま?」
「私は偉い人では無いけれど、貴族ではあるわ。えと、ナタリーちゃん?どうかしたの?」
カメリアはナタリーと同じ目線になるように少しだけ屈んで話す。
「ならみんな助けて!あの人怖いの...お友達、連れてっちゃうの...」
「分かったわ!私が助けてあげる。マリーは家に帰ってお母様とお城にいるお父様にこの事を伝えて。アンナ、グレナーは私に着いてきて。ルカはカイくん、ナタリーちゃんをあそこのケーキ屋さんで休ませてから私達と合流しましょう。」
「え?え?カメリア様!?これは、僕達の問題でして..」
「ルカの問題なら主人である私の問題でもあるわ!だから、一緒に解決しましょ?無理そうならお父様達が来るまでの時間稼ぎをするまでよ。」
ルカ達はそう言って笑うカメリアに見惚れた。
「...お、お嬢様、お気を付け下さい。私がすぐに旦那様達を連れて行きますので、無茶はしないで下さいね!」
「ええ、分かってるわ。アンナ、グレナー行くわよ。」
「...危険を感じたらすぐに逃げて下さいね。私とグレナーが食い止めますので!」
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「ここが例の孤児院ね。」
「私が話して来ますのでお待ち下さい。」
アンナが中へと入り、戻ってくるまで周辺を観察する。
特に怪しい感じはなさそうだなぁ〜
視察に来たとかで簡単に入れてくれれば良いんだけど、どうかなぁ?
「...カメリアお嬢様、中に入っても...」
「いやはや、いらっしゃいませ。カメリア様」
アンナの言葉を遮ったのは、でっぷりと太った男性だった。
...この人がルカ達が言ってた人かな?
孤児院はこんなにボロボロでルカもあの子達も痩せ細ってたのにこの人はこんなに...。それに、あの指輪やネックレスは高価なものだよね。こういうのって...確か、横領?ってやつだよね!とりあえず、良くない事よね!ガルシア先生が前に授業で言ってたもん。
「突然で申し訳ございません。たまたま、近くを通ったので寄らせて頂きました。私で良ければ、今後寄付なども視野に入れて中を拝見させて頂ければと思いまして」
「おお〜なんと慈悲深い!こんなに綺麗な方が来て貰っただけでも有難いのに、寄付までとは!さあさあ、こちらへどうぞ」
警戒されるかと思っていたカメリアだったが、難なく入れたので少しだけ拍子抜けしてしまった。
「何人くらいいるんですか?やはり、食べ物は国からの寄付だけでは足りないのでしょうか?」
「子供は10人ほどいるんですよ。私1人で見てますので中々ここの修理が追いつかなくて...。食べ物も育ち盛りな子供達にはあまりにも足りなくて困ってるんです。ですから、カメリア様が寄付して頂けるなら...」
とニヤニヤと浮かべる顔には脂汗をかいている。
秋のこんな涼しい日に異常な程の汗をかいてるなんて、食べ過ぎなんだよ!!!
「まぁ、そうですの。子供達はどちらに?」
「...え、えーとですね。あ!いたいた。お前達来い」
と神父が声を掛けると痩せ細った子供達が数人こちらに来た。
「6人...他の子達はお外で遊んでいるのですか?...あら?ねぇ大丈夫?大きなアザがあるわ!」
カメリアより少しだけ年上の男の子の右腕には、青紫色の大きなアザがあった。他にも見てみると強い力で掴まれたような手のアザや叩かれたり蹴られたりしたような傷が多くあった。
「ははは、この子は少しヤンチャでして外に行っては色々と傷を作って帰って来るんですよ。」
神父は笑いながら言うが男の子は、神父を睨むだけだった。他の子供達も泣きそうな顔をしていたり俯いていたりと様々だ。
「...そう、ヤンチャで...あ!そうだわ。そろそろもう1人私の護衛が着く頃かと...」
「カメリア様、お待たせしました。」
「いえ、神父様に色々とお話を聞いていたのでそれ程待ってないわ。あ、そうだ、神父様覚えてらっしゃるかしら?こちらにいたルカを私が保護しましたの。」
「っ!?!?!!!」
神父はルカの姿を確認するとだんだんと目を大きく開けて驚いた表情をした。
ここまで読んで下さってありがとうございます。
神父
でっぷりと太っていて頭頂部が薄い
高級な指輪やネックレスをしている。
カイ(6)
ルカと同じ孤児院にいた
ナタリー(4)
ルカやカイを兄のように慕っている。




